Snap-on Power stick-830
肉盛り接着補修剤
メーカーのコメント
現場作業を通じて、この場所この程度の損傷は何とかならないかと思うことはよくあることです。
Power stick-830は金属の損傷部に80番の足付けをして、3〜5m/m厚に肉盛りするか補修する部分に削りこんで肉盛りするだけで、常時130℃の温度で使用する環境、またはくり返し暖め冷やされるような環境で使用される機械器具の補修に最適な補修剤です。
240℃の熱がかかることを限界とし、基本的に金属補修が目的ですが軟質ゴムや軟質プラスチックを除けばほとんどすべての材質に接着させることが出来ます。
追浜ガレージのコメント
最近使用した例では、FF車で走行中に誤って縁石に乗り上げてしまい、A/Tケースを破損しATFが漏れている状態の車両を修理する際、本来ならばA/Tをユニット交換するかA/Tケースの交換になりますが、当該箇所を完全に脱脂した上でPower
stick-830を肉盛り充填したところ、修理完了から1年以上経過していますがATFが漏れる事は一切無く、またA/Tの順調に作動しています。
他にも多数の修理で使用していますが、このPower stick-830が有ったお陰で安価に早く修理が完了出来たケースが多々有ります。
エポキシ系接着剤等でも諦めていた接着、修理でも可能になる事が多いかも知れません。
使用方法
セットの内容を見てみます。
主剤(大きな容器)
硬化剤(小さな容器)
混合皿
ヘラ(主剤用の大きな先)
ヘラ(硬化剤用の小さな先)
セットの内容です
主剤を大きな先のヘラで・・・
大きな先のヘラを使い、主剤を適量取り出します。
混合皿の大きな凹部へ主剤を摺り切り一杯入れます
混合皿の小さな凹部へ硬化剤を摺り切り一杯入れます
硬化剤を小さな先のヘラで・・・
小さな先のヘラを使い、硬化剤剤を適量取り出します。
混合皿の大きな凹部へ主剤を摺り切り一杯入れます。
これで主剤の適切な量を計る事が出来ます。
主剤、硬化剤共に適切な量が計れましたら、主剤、硬化剤共に混合サークル内へ移し変え、十分に混ぜ合わせます。
混合サ−クル内で混ぜ合わせます
十分に混ぜ合わせられたら使用準備は完了です
主剤の薄灰色と、硬化剤の黒色が完全に混ざり合って灰色一色になった事を確認します。
灰色一色になり、十分に混ぜ合わせられたら使用準備は完了です。
綺麗に清掃して片付けます
使用が完了しましたら綺麗に清掃して、次の使用迄片付けておきます。
混合したPower stick-830が混合サークル内で完全に硬化してしまった場合には、混合プレートを手で少し捻る様にすると簡単に落とす事が出来ます。
主剤を容器から取り出し、主剤が付着したままの状態でのヘラを硬化剤の容器内へ挿入した場合、硬化剤の容器内で反応し硬化してしまいますので避ける様にします。
また、硬化剤を容器から取り出し、硬化剤が付着したままの状態でのヘラを主剤の容器内へ挿入した場合、主剤の容器内で反応し硬化してしまいますので避ける様にします。
この状態を避ける為に、大きな先のヘラは主剤用、小さな先のヘラは硬化剤用と分けられていますので適切に使用する様にして下さい。
性能試験成績表(基準数値)
項目 | 適用 | 基準値 |
---|---|---|
配合比 | 重量比 | 主剤:硬化剤=100:10 |
容量比 | 付属の軽量プレートによる | |
粘度 | 液状 | 主剤=パテ状、硬化剤=パテ状 |
可使時間 | 100g/at 5℃ | 30分間 |
硬化時間 | 25℃ | 1〜3時間 |
60℃ | 30〜40分 | |
比重 | 硬化物 | 1.7〜1.8 |
主剤 | 1.8〜1.9 | |
硬化剤 | 1.05〜1.07 |
性能試験成績表(結果数値)
試験項目 | 単位 | ||||
---|---|---|---|---|---|
硬化条件 | 60℃硬化:1時間硬化 | 常温硬化:7日間 | 常温硬化 +60℃硬化:2時間 |
常温硬化 +80℃:2時間 +100℃:4時間 |
|
izod衝撃値 | kg/cm² ノッチ付き | 2.8 | 3.1 | 3.3 | |
硬度 | ショアーD | 36 | 36 | 37 | |
ロックウェルR | 99 | 100 | 102 | ||
ロックウェルC | |||||
揃膨張係数 | ×0.000001cm²/℃ | ||||
熱間撓み温度 | ℃(18.5kg/cm²) | 52 | 75 | 75 | |
HDT | ℃(4.6kg/cm² | 54 | 75 | 84 | |
曲げ | |||||
降伏強度 | kg/cm² | 619 | 675 | 870 | 871 |
破断強度 | kg/cm² | 619 | 675 | 855 | 871 |
弾性率 | ×10000kg/cm² | 6.98 | 6.58 | 6.92 | 5.95 |
撓み量 | mm | 2.4 | 3.7 | 4.7 | 4.9 |
引っ張り | |||||
降伏強度 | kg/cm² | 352 | 342 | 429 | 482 |
破断強度 | kg/cm² | 352 | 342 | 429 | 482 |
伸び率 | % | 4.4 | 3.6 | 4.7 | 6.3 |
弾性率 | ×10000kg/cm² | 9.79 | 10.80 | 11.30 | 10.30 |
圧縮強度 | kg/cm² | ||||
収縮率 | % | ||||
引っ張りせん断 接着強度 |
Fe-Fe kg/cm² | 250 | 277 | 266 | |
Al-Al kg/cm² | 167 | 189 | 222 | ||
SUS-SUS kg/cm² | 233 | 272 |
試験方法は、JIS K6911、JIS K6850による。
引っ張りせん断接着強度測定の材質は、Fe=SPCC、Al=1050、SUS=304、足付け=#80でサンディング。
収縮率の測定は100mm(W)×120mm(H)×5mm(T)。
成分物質の概要
主剤 | |
---|---|
物質名 | エポキシ樹脂+アルミ粉末 |
比重 | 1.8〜1.9 |
引火点 | 300℃(危険物第四類第四石油類) |
発火点 | 500℃ |
爆発限界 | 特に無し |
反応性 | アミン類に反応 |
経口毒性 | LD50g/kg |
刺激性 | 殆ど影響は無いが体質によっては炎症を起こす場合有り |
臭気 | 刺激臭無し |
硬化剤 | |
---|---|
物質名 | 変性樹脂族ポリアミン |
比重 | 1.05〜1.07 |
引火点 | 160℃(危険物第四類第四石油類) |
発火点 | 300℃ |
爆発限界 | 特に無し |
反応性 | エポキシ樹脂に反応 |
経口毒性 | LD5g/kg |
刺激性 | 刺激性有り 過敏症体質の方は注意が必要 目や鼻の粘膜を刺激し、健康上 取り扱いには注意を要する |
臭気 | 刺激臭有り |
余白