4輪ホイールアライメント調整

取材車両 S15-500990
入庫日   2006年01月12日
走行距離 51807km

以前に違う修理依頼でユーザーから車両を預かった際、試運転が必要で実施した所、直進安定性と旋回性能に違和感を覚えていました。

この状態をユーザーに伝え、修理の必要性を説明させていただき改めて入庫していただいたく様お願いしていました。

今回、入庫していただき4輪ホイールアライメントの測定と調整を行いましたので報告させていただきます。

今回は東洋精器工業製のアライメントテスター LABO6800を使用し、0.01度単位での精度の高いホイールアライメントの調整を行います。


この先、順を追って作業の内容を紹介して行きます。

車両をボードオンリフトに入れます。

4輪共にタイヤ空気圧を正規の数値に調整します。

ボードオンリフトをリフトアップし、更にボードオンリフト上で車両をリフトアップしてタイヤをボードオンリフトから浮かせます。

操舵輪(前輪)のタイヤの接地部中央にターニングラジアスゲージをセットします(左右共)。


車両をボードオンリフトに入れます

車両をボードオンリフト上でリフトアップします

4輪共タイヤを浮かせます

測定ヘッドをロードホイールにセットします

ロードホイールにアライメントテスターの測定ヘッドを取り付けます(4輪共)。

測定ヘッドのクランプ爪でロードホイールに傷等をつけないようにテープ等で保護しながら注意して取り付けます。

4輪共に測定ヘッドの取り付けが完了しましたら、ボードオンリフト上で車両をリフトアップしタイヤがボードオンリフトから浮いた状態になっていましたが、ボードオンリフト上に車両を降ろし、タイヤをボードオンリフト上に接地させます。

この時に、操舵輪にセットしましたターニングラジアスゲージが、タイヤ接地部の中央にセットされているかを再確認します。

アライメントテスター本体と測定ヘッドを接続ケーブルで接続します。

アライメントテスター本体の電源を入れ、アライメントテスター本体を起動させ測定ヘッドとの接続状態を確認します。

車両が動かない様にサイドブレーキを作動させ、フットブレキもブレーキデブロッサー等でブレーキペダルを押し込み作動させておきます。

操舵輪にターニングラジアスゲージをセットします

接続ケーブルを取り付けます

4輪共に測定ヘッドの取り付けが完了しました

アライメントテスターが指示する様にステアリングを操作します

現在のアライメント数値が表示されました

アライメントテスター本体が立ち上がり、測定ヘッドとの通信が可能となりましたら、アライメントテスターが指示する様にステアリング操作を行います。

アライメントテスターが指示するステアリング操作が完了しましたら、モニターに現在にアライメント数値が表示されます。

モニター画面を調整画面に変え、表示される数値を確認しながら車両の当該部品の取り付け部を緩め、各部品の取り付け位置を調整しながら、ホイールアライメントの数値を目標規定数値となる様に調整して行きます。

モニターを見ながら調整します

4輪共個別に調整します

4輪共に個別に調整して行きます。

車両や部位によっては調整が出来ない項目もあります。

この様な場合にはピロボールアッパーマウント等を装着する等の改造や、当該箇所の各部品を加工する事が必要になります。

調整前の測定数値と調整後の測定数値

一連の作業が完了しましたら、アライメントテスター本体の電源を切り、アライメントテスター本体と測定ヘッドを接続していました接続ケーブルを外し、ロードホイールに取り付けていました測定ヘッドも取り外します。

ボードオンリフトから車両を出し、試運転を行います。

車両走行時の直進安定性、加速・減速時における直進安定性、ステアリング操舵時の切れ角、操舵力等を試験します。

また車両直進時にステアリングホイールが直進状態にあるかも確認します。

今回の調整前の測定数値を見ますと、フロントアライメントがトーアウトになっており、最初に感じていた違和感が正しいものだと確信する事が出来ました。

事故等をした後にだけホイールアライメントを測定調整するのではなく、サスペンション等の足回り部品交換時を始め、長期間自動車を使用した場合にでも狂う事がありますので、必要に応じて適宜ホイールアライメントの測定調整が必要となってきます。