取材車両 FG10-010553
入庫日   2005年08月11日
走行距離 77438km

ユーザー(専業工場)からの依頼内容

今回は、ユーザーから依頼を受けて修理をしていた専業工場からの依頼で修理を受注した。
エンジンがストールする為ユーザーがスロットルワイヤーを自分で調整しスロットルが全閉状態とならない様に少し開けた状態で固定していたが、それでもエンジンがストールするから見てほしいと言われ、スロットルワイヤーを正規に調整しスパークプラグを新品に交換、スロットルボディーをエンジンシステムコンディショナーで洗浄後、エンジンチェックランプが点灯しエンジンがハンチングを起こすようになった。


現車での症状確認

冷間時、温間時共エンジンは容易に始動が可能である。
アイドリングでは全く問題が無いが、スロットルを少しでも開けると冷間時、温間時共にハンチングを起こし走行出来る状態ではない。

エンジンチェックランプ点灯を確認

早速、故障探究を開始する。

エンジンを始動すると、エンジンチェックランプが常に点灯している事を確認。

ニッサン コンサルトUを使用し故障箇所を特定します。

ニッサン コンサルトUを使用します

診断結果

リニアタイムで出力信号を確認します

信号値の推移

故障はエアフロセンサー・・・?

ニッサン コンサルトUで診断の結果、エアフロセンサーからの信号がECCS C/Uに入力されていない事が判明した。

エアフロセンサーの内部が断線している様だ。

この診断結果を受け、早速新品のエアフロセンサーを手持ちの物と交換してみた。

装着品(左)と手持ち品(右)

エアフロセンサーを交換しました

再度、ニッサン コンサルトUを接続し診断を開始。

故障箇所の記憶を消去しても消えない!

エアフロセンサー交換前と同じ故障コードを表示す
る。

エンジンをレーシングすると、交換する前と同じ様に
ハンチングを繰り返す。

ここで配線図を引き出し、電源回路、接地回路、信
号回路を順に確認する事にした。

エンジンルーム全体像

エアフロセンサー系統の配線図

エアフロセンサー側を確認中

ECCS C/Uを取り出します

ECCS C/U側を確認中

順に確認すると、電源回路、接地回路には問題が無かったが、信号回路がECCS C/Uとエアフロセンサー間でオープンしている事が判った。

配線を辿りながら、順次確認して行く事にする。

エアフロセンサー側から確認すると、早速配線がオープンしている箇所が見つかった。

一番左側のコードがオープンしている

エアフロセンサーのコネクターの付け根辺りで信号線がオープンになっている事を確認。

こんな箇所で断線が起こる事は考え難いのだが、後になって修理の依頼をして来た専業工場に確認を取ってもらうと、ユーザーが何やら判らないまま触っていた様だ。

どこをどう触っていたか詳しくは不明な様だが、判らないまま色々な所を触ってしまい、挙句の果てに修理を依頼して来た専業工場に助けを求めた様だ。

困ったものだ。


配線がオープンしている箇所を確実に修復します。

エアフロセンサーも元の装着品に戻しました。

念の為にNDIS方式のイグニッションコイルも取り外し、スパークプラグを点検すると真っ黒!

修理を依頼して来た専業工場で新品のスパークプラグに交換したばかりの為、清掃してから元通りに取り付けました。

今迄取り外した部品等の取り付けが確実に出来ているかを再度確認した後にエンジンを始動します。

ここでエンジンをレーシングすると、スムーズに吹け上がります。

ニッサン コンサルトUを接続して故障コードの記憶を消去します。

今度は消去が完了しました。

もう一度、故障コードを読み出しましたが故障箇所は有りませんと返って来ます。

これで修理が完了です。




試運転を実施し、再度部品を取り外した箇所の確認をして、ニッサン コンサルトUを接続して故障コードが読み出され無い事を確認した後、納車させていただきました。


オープン箇所の修理完了

スパークプラグも真っ黒です

エンジンがハンチングする

余白