取材車両 AK12-359293
入庫日 2010年02月03日
走行距離 38860km
加えて・・・、
38860km(総走行距離積算計 = オドメーター)を走行している状態を勘案して、燃料通路配管内に異物(カーボン、スラッジ)等が堆積し、燃料流量に影響を与えている可能性があります。
また、フューエルインジェクターも異物(カーボン、スラッジ)等が堆積し、燃料噴射量、燃料噴霧状態に気筒間のバラつきが発生している等の異常が発生している事が考えられます。
この事から、燃料タンク内に、燃料系統洗浄剤(和光ケミカル フューエルワン)を注入し、燃料(ハイオクタン価ガソリン)を満タンとなるまで注入しました。
エアクリーナーA'ssyを、エアダクト、バキュームホース等と共にエンジンの上部に取り付けました。
新車時に交換しているスパークプラグも、既に38860km(総走行距離積算計 = オドメーター)を走行している状態となっています。
取り外したスパークプラグの劣化、磨耗、焼け具合等を勘案した結果、新しいスパークプラグを用意し交換する事となりました。
シリンダーヘットの上部に取り付けられておりますイグニッションコイルを取り外します。
エンジンの上部に取り付けられているエアクリーナーA'ssyを、エアダクト、バキュームホース等と共に取り外します。
エアクリーナーA'ssyを取り付けました
ヒューズボックスリッド
以上の整備を施した上で、一旦ユーザーに車両を引き渡し、満タンまで注入した燃料(ハイオクタン価ガソリン)が残量が僅かとなるまで運転を行っていただく事になりました。
結果、ユーザーは車両に搭載されている燃料計で読み取る値として、4分の3ほどを使用した後に再度の入庫を行っていただきました。
ユーザーに確認すると、ノッキングの症状には一切の変化は無く、現在もノッキングが発生している状態が続いていると言う事です。
この事から、”NISSAN CONSULT-U”を車両に接続し、エンジンがノッキングを発生させる領域での点火時期等の情報の収集を行う事になりました。
情報の収集を得た後、”NISSAN CONSULT-V”を車両に接続し、エンジンの点火時期制御プログラムのマップ数値を変更(書き換え)を施す事にしました。
”NISSAN CONSULT-V”では、相対的な点火時期を2度遅らせる点火時期制御プログラムのマップ数値の変更を行っています。
以上の整備を施した上で、試運転を実施しました。
エンジンの加速力が若干曖昧になった感は出ましたが、エンジンより発生しておりましたノッキングは一瞬小さく発生している様ですが、殆ど発生する事はなくなってしまっている様でした。
続いて、ユーザーに試運転を依頼します。
結果、やはりエンジンの加速力が若干曖昧になっている感を受けた様ですが、エンジンのノッキングが発生しなくなった事の方に感銘を受けた様です。
※ 『ホシノインパル』社製の『IMPUL コンプレッサーキット』、『IMPUL ハイパワーコントロールユニット』は、スーパーチャージャー作動開始時に、点火時期を一気にノッキング領域まで持って行く事で急激なパワーアップ(トルク感の増大)感を狙っています。 この為に、スーパーチャージャー作動開始時には、設計数値(点火時期制御プログラムのマップ数値)はエンジンより若干のノッキングが発生する領域となっています。
※ ”NISSAN CONSULT-V”で実施しましたエンジンの点火時期制御プログラムのマップ数値を変更(書き換え)は、簡単に『ホシノインパル』社で設計された点火時期制御プログラムのマップ数値に戻す事が出来る様に、相対的な数値の変更を行っています。
※ 正式なエンジンの点火時期制御プログラムのマップ数値を変更(書き換え)は、エンジンがノッキングを発生する領域のみの数値を勘案し、変更する事を推奨致します。
※ 今回の整備で収集しましたエンジンの点火時期制御プログラムのマップ数値は、メーカーより提供していただきました数値、当方側で収集いたしました数値共に公表する事は差し控えさせていただきます。
協力 : 日産自動車株式会社
協力 : 株式会社 ホシノインパル
和光ケミカル フューエルワンを注入します
用意した新品のスパークプラグ
エアクリーナーA'ssyを取り外しました
新車を購入時、ディーラーにて『ホシノインパル』社製『IMPUL コンプレッサーキット』、『IMPUL ハイパワーコントロールユニット』を取り付けた”NISSAN MARCH (AK12型車)”・・・、
当初より、車両走行時における異常を感じ、整備相談を繰り返し行って来たが、納得行く結果と説明が得られないと言う事情で、当該車両を弊社にて検分する事となりました。
イグニッションコイルを、シリンダーヘッドの上部に取り付けました。
用意したスパークプラグは、NGK社製”LFR7AIX-P”です。
取り外したスパークプラグは、NGK社製”LFR7AIX-P”でした。
当該車両の新車時装着の標準スパークプラグは、NGK社製”LFR5AIX-11”です。
『ホシノインパル』の『IMPUL コンプレッサーキット』の”取り付け・取扱説明書”に明記されております様に「スパークプラグを熱価の高いもの(熱価7番)に交換してください。」の通りに、既に適切なスパークプラグに交換されている事が判明しました。
スパークプラグを取り外します。
スパークプラグの点検を行う事にします。
ユーザーが感じる車両走行時における異常とは、エンジンから発生するノッキング・・・、
実際に側乗し、ユーザーに当該車両を運転していただき、ユーザーが訴えるノッキングを再現していただく事にしました。
その結果、ユーザーが訴えるノッキングは、エンジンから発生するノッキングそのもので、他の異常音をユーザーがノッキングと勘違いをして訴えているものではない事が判明しました。
これより、エンジンから発生するノッキングの原因を、診断により特定する作業に取り掛かります。
車両の運転席、アンダーダッシュパネルに取り付けられているヒューズボックスリッドを取り外します。
ヒューズボックス下側に設けられているダイアグノーシスコネクターカプラーに”NISSAN CONSULT-U”を接続します。
”NISSAN CONSULT-U”を起動し、故障コード(フォルトコード)を読み出します。
診断(読み出した)の結果、故障コードは記憶されておりませんでした。
点火時期は、アイドリング時:B.T.D.C. 5度をキープし、レーシング時における点火時期も適切な数値となっていました。
ノッキングセンサーを試験し、ノッキングセンサー、及びその配線等にも異常が無い事が判明しました。
データモニタ結果
データモニタ結果
データモニタ結果
リアルタイム診断結果
イグニッションコイルを取り付けました
新品のスパークプラグを取り付けました
新品のスパークプラグを用意しました
取り外したスパークプラグ
スパークプラグを取り外します
取り外したイグニッションコイル
イグニッションコイルを取り外します
取り外したボルト等
取り外したエアクリーナーA'ssy
エアクリーナーA'ssyを取り外します
AK12型車 エンジンルーム全景
CONSULT-U
ヒューズボックスリッドを外しました
IMPUL HI-POWER CONTROL UNIT
IMPUL COMPRESSOR KIT
AK12型車 エンジンルーム全景
和光ケミカル フューエルワン