2006年12月19日 55048km
植物油系エンジンオイル・・・。
金属面に強固に油膜を形成し、高負荷運転時、長期間放置時にも油膜が保たれる理想的なエンジンオイルです。
その反面、腐り易く、一部のレースシーンで使用されていたものの、一般公道での使用は非常に難しい状態でした。
今回、この植物油系エンジンオイルを新たな着眼点から改良し、一般公道でも鉱物油系エンジンオイルと同様に扱う事が出来るとして登場したエンジンオイルの提供を受けましたので、試験的に使用してみる事といたしました。
提供されましたエンジンオイルは、”有限会社ジェイシーディプロダクツ A.S.H. E-SPEC OIL 100%エステル化学合成油ベース FSE
5W30"です。
今回行います試験では、3回に渡って"A.S.H. FSE 5W-30"を使用し、適宜データーの分析を行います。
A.S.H. FSE 5W-30
Z33型車 エンジンルーム全景
車両をリフトアップします
エンジンオイルの交換時期が訪れましたので、早速 提供していただきました"A.S.H. FSE 5W-30"を使用する為の交換作業に取り掛かります。
車両をリフトにセットし、リフトを上昇させた後、エンジンアンダーカバーを取り外します。
エンジンアンダーカバーを取り外します
取り外したエンジンアンダーカバー
エンジンを下側から見ます
エンジンオイルパンとオイルフィルター
エンジンオイルドレーンプラグを取り外します
取り外したドレーンプラグ
抜き取り中のエンジンオイル
用意した新しいオイルフィルター
オイルフィルターを交換します
エンジン下側から、エンジンオイルパンに取り付けられているエンジンオイルドレーンプラグを取り外し、エンジンオイルを抜き取ります。
エンジンオイルドレーンプラグに取り付けられているパッキンは、新品に交換する事を推奨いたします。
エンジンオイルの抜き取りが完了しましたら、エンジンオイルドレーンプラグをエンジンオイルパンに取り付けます。
オイルフィルターを交換します。 取り付ける際には、パッキンの捻れ・切れを防止する為に、パッキンリップ部に薄くエンジンオイル等を塗布したから取り付けます。
リフトを下降させ、エンジンルームを見ます
フィラープラグを外し、エンジンオイルを注入する準備をします
エンジンオイルを注入します
エンジンオイルレベルを確認します
リフトを下降させ、車両を降ろします。
エンジンに取り付けられているエンジンオイルフィラーキャップを外し、エンジンオイルを注入する準備をします。
今回は、漏斗をエンジンオイル注入口にセットし、エンジンオイルの注入を行いました。
エンジンオイルが規定量注入出来ましたら、エンジンオイルフィラーキャップを取り付け、エンジンを始動します。
エンジンを始動し、びリフトを上昇させ、エンジンオイルも漏れが無い事を確認します。
エンジンオイルの漏れが無い事が確認出来ましたら、リフトを下降させエンジンオイルレベルの確認を行います。
最初に取り外したエンジンアンダーカバーを取り付け、エンジンオイルの交換作業は完了です。
A.S.H. エンジンオイル 100%エステル化学合成油ベースの紹介
A.S.H. Motor Oil カタログ
エステル化反応化学式
100%エステル・・・。
こう言われてもピンとくる方はそういらっしゃらないかと思います。
簡単に言ってしまえば「エステル」とは「植物油」のことです。
私と同年代のモーターファン(そんな言い方もありました)には、憧れのバイクやクルマが走り去った瞬間に漂う、植物油独特の香りに酔いしれた思いでのある方mいらっしゃるのではないでしょうか。
「植物油」には絶対的な吸着性(金属面に吸着し、強固な油膜が形成される)があるため、あの頃のレーシングエンジンや、動力性能を追求していたエンジンには植物油を使うことが多かったのです。
しかし、この頃の植物油には大きな問題がありました。
それは鉱物系に対して「腐食しやすい」ということで、長持ちさせることができないため、一般的に使用するクルマには使いづらかったのです。
植物油=脂肪酸をベースにしているので、当たり前と言えばそれまでなのですが・・・。
そして現在、多くの化学技術が進化することにより、腐らない(かなり腐り難い)植物油ベースオイルができているのです。
油膜が強い上に腐らないのですから、こんなに理想的な潤滑油はないと考えられます。
それでは何故、現在数多くの潤滑油メーカーがあるのに、100%エステルが主流になっていないのでしょうか。
エステルは、先ほども話した吸着性の高さのほか、潤滑油を作る際に使用する高性能な添加剤が溶けやすい、自然に回帰する能力が高い・・・など、開発者である私にとって、夢のようなベースオイルなのです。
が・・・、夢のような・・・と言う意味には、実は「なかなか思ったような成果がでない」ということも、大きく含まれています。
製品開発と一口でいうと簡単ですが、それは「順列と組合わせ」の世界であり、各シール剤への影響や水分を吸着してしまう割合などetc・・・地味なトライ&エラーの繰り返しなのです。
つまり、世界的にみても、現在なおエステルベースの潤滑油の研究開発は、始まったばかりの時代にあるのです。
もちろん、世界のエステルベースのオイルの中には、「なるほど」と感心するものもありますが、ほとんどの製品は、メーカーの研究室内では好結果なのかもしれませんが、実際の使用状況では「これはユーザーのためにならない」と感じるものばかりです。
その点で私は、実際の使用状況・構造の理解・把握をモットーとしており、それにプラスして、たくさんの進んでご協力して下さるお客様(言い方を変えると、注文の多いお客様・・・笑)がいらっしゃることで、他の誰よりもエステルに関してのノウハウの積み上げが出来ていると、自負しております。
そういう意味では、まだまだ先があるエステル系オイルではありますが、現時点での最高水準の技術を注ぎ込んんだのが A.S.H. E-SPECオイル です。
ぜほこの性能を求める方に、このオイルの存在に気づいていただき、その上質な満足感を味わっていただきたいと思っています。
語り:有限会社ジェイシーディプロダクツ 代表 岸野 修 氏(A.S.H.オイル開発者)
A.S.H. E-SPEC OIL 100%エステル化学合成油ベース FSE 5W-30 使用後の燃料消費率の変化について・・・
使用前(日産自動車 エンデュランス SAE 10W-50使用時)の総合燃費
※(フィアック「剛力」1個装着時点)
2006年03月26日 39162km 〜 2006年06月18日 45479km
走行距離 6317km
燃料給油量 675.24リットル
燃料消費率 9.35519km/リットル
使用後 第1回目
※(フィアック「剛力」1個装着)
2006年12月19日 55048km 〜 2006年12月30日 55714km
走行距離 666km
燃料給油量 67.00リットル
燃料消費率 9.94029km/リットル
使用後 第2回目
※(フィアック「剛力」1個装着)
2006年12月30日 55714km 〜 2007年01月02日 56299km
走行距離 585km
燃料給油量 68.84リットル
燃料消費率 8.49746km/リットル
使用後 第3回目
※(フィアック「剛力」1個装着)
2007年01月02日 56299km 〜 2007年01月03日 56936km
走行距離 637km
燃料給油量 63.75リットル
燃料消費率 9.99215km/リットル
使用後 第4回目
※(フィアック「剛力」1個装着)
2007年01月03日 56936km 〜 2007年01月20日 57434km
走行距離 498km
燃料給油量 65.33リットル
燃料消費率 7.62283km/リットル
使用後 第5回目
※(フィアック「剛力」1個装着)
2007年01月20日 57434km 〜 2007年01月29日 57995km
走行距離 561km
燃料給油量 66.94リットル
燃料消費率 8.38063km/リットル
使用後 第6回目
※(フィアック「剛力」1個装着)
2007年01月29日 57995km 〜 2007年02月09日 58546km
走行距離 551km
燃料給油量 67.11リットル
燃料消費率 8.21040km/リットル
使用後 第7回目
※(フィアック「剛力」1個装着)
2007年02月09日 58546km 〜 2007年 月 日 km
走行距離 km
燃料給油量 リットル
燃料消費率 km/リットル
使用後 第1回目〜第10回目の総合燃費
※(フィアック「剛力」1個装着)
2006年12月19日 55048km 〜 2006年 月 日 km
走行距離 km
燃料給油量 リットル
燃料消費率 km/リットル
A.S.H. E-SPEC OIL 100%エステル化学合成油ベース FSE 5W-30 使用後のエンジンオイルの劣化度合いの変化について・・・