2007年12月30日 20044km
少し前から、走行中の車両の挙動が気になってきました。
直進安定性の低下です。
今回は、この様な状態を打開する為、コクピットBeにある4輪ホイールアライメントテスターを使用して、現在のアライメントの状態を確認し、不具合箇所の調整を進めて行きます。
おおよその不具合現象は確認できていますが、ここで再度試運転を行い、車両の挙動について厳密に確認しておきます。
試運転の内容としては、直進安定性(定常走行時、加速時、減速時)、路面の凹凸による走行安定性の変化、左右それぞれへの操舵時における旋回性能の誤差、及び高速走行時の車両安定性等です。
試運転を行う前に、車両に装着されているタイヤの空気圧を予めチェックしておく事が必要です。
今回の症状では、直進安定性が低下している事から、フロントホイールアライメント、リヤホイールアライメントのいずれか、あるいは両方がトーアウトになっていると思われます。
試運転の結果を受けて、ピットインします。
コクピットBeで作業を行います
ロードホイールに測定ヘッドを取り付けます
Z33型リヤサスペンション構成図(整備要領書より)
四輪ホイールアライメントテスターを起動します
ボードオンリフトに車両を進入させ、リフトの真ん中に車両をセットします。
リフトアップします。
リフトアップしましたら、リフト上でタイヤを浮かせる為、車両の前後でそれぞれジャッキアップします。
車両が水平となる様にジャッキアップします。
ここで、タイヤ空気圧を点検・調整します。
点検・調整後、必ずエアバルブ等からエアが漏れ出ていない事を確認します。
四輪ホイールアライメントテスターの電源を入れ、起動させておきます。
コクピットBeで使用している四輪ホイールアライメントレスターは、東洋精器工業製のアライメントテスター LABO6800です。
操舵輪(フロントホイール)にターニングラジアスゲージをセットします。
4輪共に、アルミロードホイールに傷等が付かない様にテープ等で保護し、四輪ホイールアライメントテスターの測定ヘッドを取り付けます。
測定ヘッドの取り付けが出来ましたら、軽くロードホイールを手で回し、水平度合いを中心に取り付け状態を確認します。
四輪ホイールアライメントテスターと測定ヘッドをケーブルで接続します。
ここ迄の準備が出来ましたら、車両をボードオンリフト上に降ろします。
この時に、操舵輪下に設置しておりますターニングラジアスゲージの中央に操舵輪のタイヤ中心が載っている事を確認します。
ターニングラジアスゲージのロックピンを外します。
ブレーキデブロッサーを使用し、ブレーキペダルを踏み込んだ状態で固定します。
四輪ホイールアライメントテスターのモニター画面が、車両の操舵輪を操舵する様に要求して来ます。
四輪ホイールテスターが指示する様に、車両の操舵輪を左右に操舵します。
操舵を完了すると、一瞬の内に現在のホイールアライメントの状態がモニター画面に表示されます。
やはり、感じていた通りのホイールアライメントの狂いが発生している様です。
これから狂っているホイールアライメントの調整作業を進めて行きます。
まずは後輪から・・・。
モニターを見ながら調整中・・・
左後輪調整部位
右後輪調整部位
後輪キャンバー及びキャスター調整部位(整備要領書より)
後輪キャンバー及びキャスター調整部位(整備要領書より)
左リヤロアリンクを調整中
右リヤロアリンクを調整中
目標値に近く調整出来ました
リヤのホイールアライメントが目標値に調整出来ました。
次にフロントホイールアライメントの調整作業に入り、キャンバー角の調整を行いたいのですが、フロントのキャンバー角、キャスター角、キングピン傾斜角は調整出来ない構造となっていますので断念致しました。
Z33型フロントサスペンション構成図(整備要領書より)
ここで、リヤのホイールアライメント調整の為に緩めましたボルト、ナットが確実に締め付けられている事を再度確認します。
四輪ホイールアライメントテスターの電源を切ります。
四輪ホイールアライメントテスターと測定ヘッドを結んでおりますケーブルを取り外し、ロードホイールに取り付けられています測定ヘッドを取り外します。
車両の操舵輪(フロントホイール)をジャッキアップし、下に敷いておりましたターニングラジアスゲージを取り外します。
ジャッキを降ろし、車両がボードオンリフト上に降りましたら、ボードオンリフトを下げます。
ここで試運転を行い、四輪ホイールアライメント調整前に感じられていました不具合が解消されているかを確認します。
また、同時に車両の直進状態とステアリングホイールの直進状態が一致している事も確認します。
試運転の結果、問題が無ければこれで一連の作業は終了です。
調整前と調整後のホイールアライメントデータ