1959年(昭和34年)6月4日、DATSUN　SPORTS S211型が発売を開始してから7カ月後の1960年(昭和35年)1月には、DATSUN　SPORTS　S211型の輸出向けモデルとしてSPL212型が発表されます。

それに伴い右ハンドル仕様のDATSUN　SPORTS　S211型は、事実上　生産を中止する事になりました。

当時の日産自動車社長　川又克二がアメリカ合衆国を訪問中、ブロードウエイでロングラン記録を更新していたあるミュージカルを見る事となります。

このミュージカルに感銘を受けた日産自動車社長　川又克二は、このミュージカルの題名からDATSUN　SPORTSに次ぐ車名を命名する事になります。

そのミュージカルの題名は「Oh my fairlady」。

そして、DATSUN　SPORTSに次ぐ新しい車名とは「FAIRLADY」です。

この「FAIRLADY」には、コンパクトで可愛らしく、大勢の人から愛されて欲しい、という願いも込められています。

このDATSUN　FAIRLADY　SPL212型は、単にハンドル位置を右から左に変更しただけでありません。

DATSUN　SPORTS　S211型で採用されていたFRP製ボディーを、鋼鈑製ボディーに変更。

更に、フロントサスペンションもリーフスプリングのリジットタイプから、トーションバーを採用した独立懸架式に変更されている。

また、バンパーにはオーバーライダーも追加されている。

エンジンは、DATSUN　SPORTS　S211型に搭載されていたC型を発展させ、ストロークを12mm延ばして排気量を201cc増加させたE型を搭載している。

この1189ccとなったE型エンジンは、最高出力48PS、最大トルク8.4kg・mにアップ。

高速走行性能は更に高まり、この小柄な4シーターコンバーチブルを132km/hまで引っ張る事が出来ました。

また、同年10月には、同じ排気量のE型ながら、更に12PS、0.9kg・mを上乗せし、高回転型に味付けされたE1型エンジンを投入。

カタログデータの最高速に変わりは無いものの、到達時間は大幅に短縮されたはずである。

また、SPL212同様、制動力はフロント・ユニサーボ、リア・デュオサーボを備えることで、ブレーキ踏力の軽減も図られている。

このモデルはDATSUN　FAIRLADY　SPL212型の改良型モデルと言う事で、DATSUN　SPORTS　SPL213型とされている。

	DATSUN　FAIRLADY　SPL212型	DATSUN　FAIRLADY　SPL213型
全長(mm)	4025	4025
全幅(mm)	1475	1475
全高(mm)	1380	1365
ホイールベース(mm)	2220	2220
トレッド(mm)	Fr.　1186　 Rr.　1177	Fr.　 Rr.
最低地上高(mm)
車両重量(kg)		890
定員	4名	4名
装備重量(kg)
最高速度(km/h)	132	132
登坂能力(Sin.)		0.43
最小回転半径(m)	5	4.8
エンジン型式・種類	E型水冷頭上弁式(O.H.V.)直列4気筒	E1型ガソリン水冷4サイクル4シリンダー
排気量(cc)	1189	1189
内径Ｘ行程(mm)	73Ｘ71
圧縮比	7.5
最高出力(ps/rpm)	48/4800	60/5000
最大トルク(kg・m/rpm)	8.4/2400	9.3/3600
ジェネレーター出力
スターター出力
バッテリー容量
変速装置	前進4速後退1速	前進4速後退1速シンクロメッシュ式
変速比	第1速第2速第3速第4速後退	第1速第2速第3速第4速後退
変速レバー
駆動歯車
減速比	4.625
クラッチ型式	乾式単板
ブレーキ型式	足ブレーキ　油圧式ドラム手ブレーキ	足ブレーキ　Fr.　ユニサーボ　　　　　　　Rr.　デュオサーボ手ブレーキ
ステアリング型式	カム＆レバータイプ
フロント・サスペンション	パラレルトーションバータイプ独立懸架
リヤ・サスペンション	リーフスプリング　リジットアクスル
スプリング	Fr. Rr.	Fr. Rr.
スプリングサイズ長Ｘ幅Ｘ(肉厚Ｘ枚数) (mm)	Fr. Rr.	Fr. Rr.
ショックアブソーバー
タイヤ	5.20-14　4プライ	5.20-14　4プライ
ガソリンタンク容量(l)
アクセサリー	ツールセットスペアタイヤ
オプション	ラジオヒーター