取材車両 W30-733940
入庫日   2005年09月21日
走行距離 102981km
最悪の場合には車両のハブボルトが破断して、走行中の車両からロードホイールが脱落する可能性も有ります。

この様な最悪の場合に陥らなくても、ロードホイール取り付けボルト、ナットを繰り返し脱着する事によってハブボルト等に疲労が溜まり、最終的にはロードホイール取り付けボルト、ナットを脱着する際破断してしまう事例が比較的多く存在します。

この様な観点から、ロードホイール取り付けボルト、ナットの締め付け時にはトルクレンチを使用してメーカーの指示する規定トルクで締め付ける事を推奨いたします。

今回は、この様な観点から作業を始める前に、どれ位のトルクでロードホイール取り付けボルト、ナットが締め付けられているかを、まず確認させていただきました。

この車両の日産自動車が規定するロードホイール取り付けボルト、ナットの締め付けトルクは98N・m(10kg・m)〜107N・m(12kg・m)となっています。

実際に測定すると187N・m(19kg・m)で大幅に締め過ぎとぃる事が判明いたしました。

何となく・・・?、これ位かな・・・? って言う様な考えでは危険な状態に陥る箇所も有りますので、ご自身で自分のクルマを整備される方は注意が必要です。

またロードホイール取り付けボルト、ナットを取り外す際は出来るだけインパクトレンチ等は使用せず、一般のハンドツールを使用する事を推奨いたします。

この方が緩める時の感覚が手に伝わり、ボルト、ナットのネジ部に異常が無いかを確認する事が出来ます。

ロードホイール取り付けボルト、ナットが外れましたら目視で確認し、変形、破損、疲労等が無い事を目視で確認します。

異常が無ければ再びロードホイールを取り付ける際に使用します。
道路運送車両法では定期点検時にロードホイールの取り付けボルト、ナットの締まり具合を点検する事が指示されています。

一般的に右ネジを使用している車両が多く有りますので、右ネジがハブボルトで装着されている車両で考えると、このロードホイール取り付けボルト、ナットの締まり具合が弱いと特に左側のロードホイールがアクセルONからOFF時、制動時等に発生する衝撃、振動により少しずつ緩む傾向に有ります。

最悪の場合には走行中の車両から脱落して事故に繋がる事も有ります。

また締まり具合が強過ぎると、特にハブボルトに負担が過剰に掛かり走行中の道路からのキックバックによる衝撃等で破断する可能性も有ります。

トルクレンチを使用して締まり具合を点検してます

トルクレンチを使用して確実に締め付けます

ロードホイールを取り付ける際は、ハブボルト等に衝撃を与えたり、損傷しない様に注意しながら行います。

ロードホイール取り付けボルト、ナットは手で奥迄ねじ込んで挿入します。

その後に工具を使用して仮締めを行いますが、インパクトレンチ等を使用せず、一般のハンドツールを使用する事を推奨いたします。

その後、車両を接地状態にしてからトルクレンチを使用してメーカーが指定する規定トルクでロードホイール取り付けボルト、ナットを締め付けて、一連の作業は終了です。


基本的な一連作業は終了していますが、約500km走行後に再度トルクレンチを使用してメーカーが指定する規定トルクで締め付けられており、緩み等が発生していない事を確認すると万全の状態となります。


ハブボルト・ナット脱着