サイドロッドアウターソケット交換

手でサイドロッドアウターソケットを持ち、ナックルより取り外します。

サイドロッドインナーソケットが回転していない事を確認しながら、サイドロッドアウターソケットを回転させながらサイドロッドインナーソケットより取り外します。

ステアリングギヤボックス サイドロッドアウターソケットをナックルに取り付けているナットを緩めます。

ナットは、サイドロッドアウターソケットのボールジョイント ボルトの先端と面一となる様に緩めておきます。

アウターソケット ロックナットを緩めます

取材車両 FB15-058068
入庫日   2009年10月09日
走行距離 67404km

ナット(キャッスルナット)の溝部とサイドロッドアウターソケット ボールジョイントのボルト ネジ部の穴、

更にナット(キャッスルナット)の溝部へとコッターピンを貫通させる様に挿入します。

コッターピンは、今回の作業の場合には長短ある先端部の長い方を下側に挿入します。

新品のサイドロッドアウターソケットをサイドロッドインナーソケットに取り付けます。

サイドロッドアウターソケットを捩じ込んで行き、取り外したサイドロッドアウターソケットが取り付けられた部位まで挿入します。

サイドロッドエンドアウターソケット ロックナットを留まらせ、元取り付けてあった部位が明確に解る様にしておりましたが、取り外したサイドロッドアウターソケットと、新品のサイドロッドアウターソケットの製造上の誤差により、元通りに取り付ける事は出来ませんでした。

取り外したサイドロッドアウターソケットは、ボールジョイントのボルト部が下側を向いておりましたが、同一部位まで新品のサイドロッドアウターソケットを挿入すると、ボールジョイントのボルト部が上側を向いてしまいました。

この様な場合には、サイドロッドアウターソケットを戻す様に少し回転させ、ボールジョイントのボルト部が下側を向く様にしておきます。

この状態でナックルのサイドロッドアウターソケット挿入部に、サイドロッドアウターソケットを挿入します。

サイドロッドアウターソケットを、サイドロッドインナーソケット上に固定しておりますロックナットを緩めます。

ロックナットは手で回る位まで緩めておけば、それ以上回しておく必要はありません。

還って、サイドロッドアウターソケットが捩じ込まれていた部位を明確に残す事となりますので、手で回る程度以上に緩めない方が得策と思われます。

サイドロッドアウターソケットのボールジョイントが、ナックルより分離しました。

特殊工具 ボールジョイントリムーバーを用意します。

サイドロッドアウターソケットのボールジョイントを挟み込む様に、ナックルのサイドロッドアウターソケット取り付け部に特殊工具 ボールジョイントリムーバーを取り付けセットします。

ハンド工具を使用し特殊工具 ボールジョイントリムーバーを締め込んで行き、ナックルよりサイドロッドアウターソケットのボールジョイントを分離します。

特殊工具 ボールジョイントリムーバー

自動車継続検査、24か月定期点検整備で入庫して来た車両・・・。

受け入れ検査時に、ステアリングギヤボックス サイドロッドアウターソケットに取り付けられているボールジョイントのダストブーツが損傷し、内部に封入されておりますグリースが飛び出しているのを発見しました。

ユーザーに、ステアリングギヤボックス サイドロッドアウターソケットに取り付けられているボールジョイントのダストブーツの交換が必要な事を告げました。

当該車両の場合、ダストブーツのみでの部品供給がなくサイドロッドアウターソケットでの交換が必要となります。

ユーザーより承諾を得て、ステアリングギヤボックス サイドロッドアウターソケットを交換する事になりました。

早速に部品を手配し、交換作業に取り掛かります。

サイドロッドアウターソケットの交換作業は終了となります。

この後、サイドスリップテスターを使用し、サイドスリップ量の点検・調整・・・。

加えてステアリングの直進状態の確認、

ハンドルロック位置の確認を終え、全ての作業が終了となります。

サイドロッドアウターソケットを、サイドロッドインナーソケットに固定しておりますロックナットを締め付けます。

この時は、仮締め程度に締め付けておきます。

コッターピンの長い先端部を、ボールジョイント ボルトの先端部に巻き付ける様に折り曲げます。

これで、ナット(キャッスルナット)の緩み止めを施した事になります。

規定トルクでナットを締め付けましたら、ナット(キャッスルナット)の溝部とサイドロッドアウターソケット ボールジョイントのボルト ネジ部の穴が合致しており、コッターピンの挿入が可能な事を確認します。

ナット(キャッスルナット)の溝部とサイドロッドアウターソケット ボールジョイントのボルト ネジ部の穴が合致していない場合には、ナット(キャッスルナット)を締め付ける方向に回し、合致させる様にします。

用意しました新品のサイドロッドアウターソケットには、取り付けナット、コッターピンが同梱されています。

製品に同梱されております新品のナット(キャッスルナット)をサイドロッドアウターソケット ボールジョイントのナット部に取り付け、締め付けます。

サイドロッドアウターソケットを用意しました。

日産純正部品

サイドロッドアウターソケットA'ssy
  品番 48520-50Y25

パッケージを開封し、新品のサイドロッドアウターソケットが取り外したサイドロッドアウターソケットと互換性があり装着が可能である事を確認しておきます。

アウターソケットをインナーソケットに取り付けます

元の取り付け部位までアウターソケットを捩じ込みました

製品に同梱されているナット&コッターピン

ナットを取り付け、締め付けます

ボールジョイントをナックルに挿入しました

コッターピン挿入穴を合致させます

コッターピンを挿入しました

コッターピンを挿入します

コッターピンを曲げました

ロックナットを締め付けます

ロックナットを仮締めしました

サイドロッドアウターソケットを取り外しました。

ボールジョイントのダストブーツが損傷し、内部に封入されておりますグリースが外へ出ており酷い状態となっています。

同様に、左側のサイドロッドアウターソケットも取り外しました。

右側のサイドロッドアウターソケットの様にボールジョイントのダストブーツは損傷こそしておりませんでしたが、大きく亀裂が入り今にも損傷し内部に封入されておりますグリースが外へ出て来そうな状態となっていました。

サイドロッドアウターソケットとナックルを取り付けておりましたナット(キャッスルナット)を取り外しました。

一般的に実施されておりますボールジョイントの分離方法として、ボールジョイントが取り付けられております部位(ナックル等)を、ハンマー等で衝撃を与え取り外す方法があります。

この時には、衝撃を与える場所からずれた部位にハンマーが当たってしまい、当該部品に損傷等の結果を齎す事があります。

またアルミニューム合金等の比較的柔らかい材質で製造されております部品に関しましては、変形する可能性等が高い為、ハンマー等で衝撃を与える方法は実施しない様にする事も勘案する事が必要です。

ナットを緩めました

ボールジョイントがナックルより外れました

参考 : ナックルにハンマーで衝撃を加えます

アウターソケット ロックナットを緩めました

アウターソケット ロックナットを緩めます

取り外したナット

ナットを取り外しました

サイドロッドアウターソケットを回転させ、取り外します

アウターソケットを取り外したサイドロッドインナーソケット

取り外したサイドロッドアウターソケットRh.

ステアリングギヤボックス サイドロッドアウターソケットをナックルに取り付けているナットを取り外す為、当該ナット(キャッスルナット)に取り付けられておりますコッターピン(割りピン)を取り外しました。

ボールジョイントのダストブーツが損傷しています

サイドロッドアウターソケット 左側:旧、右側:新

新品の サイドロッドアウターソケット

コッターピンを曲げます

脱落防止用紐を適切な箇所に結び付けておきます

ボールジョイントリムーバーを取り付けセットしました

ボールジョイントのダストブーツが損傷しています

コッターピンを取り外します

当該作業は、道路運送車両法により、分解整備に該当する整備作業となっております。

国土交通省 各地方運輸局長が許可する認証工場で整備作業を行い、整備作業の完了後には整備主任者が完成検査を実施しなければならないと定められております。

無闇に当該整備作業を実施すると、処罰される可能性があります。

当該整備部位は、重要保安部品に該当する整備作業となります。

簡単な作業で交換が可能な部品ですが、不足している知識・経験で作業を行った場合には、運転者等の乗員等が死傷等を含む重大な障害を負う事故等に繋がる可能性があります。

サイドロッドアウターソケットが当該事例の様に損傷し、内部に封入しておりますグリースが外へ出て来てしまっている場合、ボールジョイント部が早期に磨耗・損傷し、ボールジョイントにガタが発生する場合があります。

この様にガタが発生した場合には、車両を運行中にボールジョイントがソケットかた抜けてしまい、操舵行為に関係なく操舵輪が動いてしまい重大な事故の原因となる事があります。

サイドロッドアウターソケットに限らず、ボールジョイントが使用されております部品に関しまして、ダストブーツが少しでも破れ、内部に封入しておりますグリースが外へと出て来てしまっている場合、もしくはその様な状態となりそうな状態(今回の作業で交換した、右側のサイドロッドアウターソケット ボールジョイントのダストブートに見受けられたヒビ割れ等)が見受けられる場合には、早急に部品の交換を実施する事を推奨致します。


用意したサイドロッドアウターソケット

サイドロッドアウターソケットを交換しました

ナックルよりサイドロッドアウターソケットを取り外します

取り外したサイドロッドアウターソケットLh.

コッターピンを取り外しました

取り外したコッターピン