取材車両 E51-022839
入庫日 2007年04月28日
走行距離 36075km
ホーンを鳴らすと、音が変・・・
ホーンの取り付け位置は・・・
フードロックの下側、フロントバンパーの後側です
ホーンを日産純正部品から、外品メーカーの部品に交換しているが、最近になってホーンを鳴らすと1個が鳴っていない様で音が変・・・、とユーザーから修理の依頼を受けた。
早速、現車で確認してみます。
ユーザーが言うように、2個取り付けられているホーンの内、片側(低音側)1個が鳴っていないようです。
ホーン本体に接続されている配線、及びホーン本体を確認して行きます。
フロントグリル上側(右側)に取り付けられているクリップ
フロントグリル上側(左側)に取り付けられているクリップ
隠れる様に取り付けられているクリップ
マイナスドライバーを使用し45度回転させます
フロントグリルが外れました
取り外したフロントグリル
フロントグリルが外れた車両前部
ホーンの取り付け位置が確認出来ます
ホーンを取り外し・・・
裏側を見ると・・・
調整用スクリューが設けられています
プラスドライバーNo.2を使用し、調整スクリューを回します
ホーンの取り付け位置を変更し・・・
配線の取り回しも修正しました
車両前部に残っているクリップ
指で摘み取り外しました
フロントグリルのクリップ取り付け穴
クリップの向きに注意しながら手で挿入します
グリルの穴にクリップ頭部の四角部を入れ・・・
45度回転させ嵌め込みます
クリップがフロントグリルに取り付けられました
角度を変えて見ます
フロントグリルを取り付け完成です
ホーンを確認するに当たり、フロントグリルを取り外す必要があります。
エンジンフードを開けます。
フロントグリル上側の右側にクリップが2個、左側にエアダクトと共に固定するクリップが2個取り付けられています。
これらの4個のクリップを取り外しますが、左右のクリップで形状が異なるクリップを使用していますので、取り付け時に間違えない様にする為、取り付け位置が解る様に整理しておきます。
フロントグリルの前部、四隅付近に隠れる様に取り付けられたクリップが4個あります。
このクリップの頭部を、マイナスドライバーを使用し左右どちらかに45度回転させます。
フロントグリルを少し前側へ引く様にしながらクリップの頭部を回転させると、クリップが外れ易くなります。
フロントグリル前部に取り付けられているクリップ4個を同じ様に外します。
フロントグリル前側中央にもクリップが取り付けられていますが、フロントグリルを手前に引き出す様にすると、このクリップは自然に外れ、フロントグリルを取り外す事が出来ます。
フロントグリルを取り外す際には、ヘッドライト、フロントバンパー等に傷等を付けない様に注意する事が必要です。
フロントグリルを取り外すと、ホーンの取り付け位置が確認出来ます。
エンジンフードロックが取り付けられているフードロックサポートの下側、フロントバンパーに隠れる様に取り付けられています。
取り付けられているホーンを確認すると、新車時に取り付けられていた場所を異なる位置に取り付けられています。
ホーンに接続されている配線は接続したままで、ホーン本体を取り外します。
2個取り付けられているホーンを、1個ずつ手に持ちながらホーンボタンを押すと、明らかに低音側のホーンの音量が小さいと思われます。
高音側ホーンに接続されている配線を1本外し、ホーンボタンを押すと、低音側ホーンは かすかに音が出ている程度です。
念の為に、取り外した高音側ホーンの配線を元通りに取り付け、低音側ホーンに接続されている配線を1本外しホーンボタンを押すと、高音側ホーンは規定通りの音量、音質で鳴っていました。
低音側ホーンに問題があるようです。
低音側ホーンを手に取り、裏側を見ます。
音量調整用スクリューがあります。
この音量調整用スクリューは、緩み止めと、防水の為にシーリングが施されています。
このシーリング剤を取り除き、プラスドライバーNo.2で音量調整用スクリューを回転させます。
微妙な調整で音量がかなり変化しますので、ほんの少しずつ音量調整用スクリューを回転させて行きます。
今回の調整の場合、右回転方向に45度回転させた位置が、最大の音量が出る位置となりました。
音量調整用スクリューを回転させ、正常な音量となりましたら、規定の音質である事も確認しておきます。
ホーン本体の変形、腐食等、配線接続部のカプラーの状態等、異常が無い事を確認します。
ホーン本体を取り付けますが、初めに取り付けられていた位置が異常な位置であった為、正規の取り付け位置に改めて取り付けました。
また、ホン本体を取り付ける際には、ホーン開口部を下側に向く様に取り付ける必要があります。
フロントグリルを取り付けます。
フロントグリル前部のクリップがボディー側に残っています。
これらのクリップを指で摘む様に取り外しますが、少し固い様ならばプライヤー等で取り外しても構いません。
フロントグリルのクリップ取り付け穴にクリップを向きに注意しながら挿入し、クリップ頭部の四角部をフロントグリルの取り付け穴に押し込みながら左右いずれかに45度回転させ取り付けます。
クリップの取り付けが出来ましたら、クリップ頭部の四角部がフロントグリルのクリップ取り付け穴から更に奥側へ入り込み、フロントグリルのクリップ取り付け穴の四角の向きと、クリップ頭部の四角部の向きが45度ずれている事を確認します。
クリップ上下の爪部が、フロントグリルのクリップ取り付け部の凹部に嵌まり込んでいる事を確認しておきます。
フロントグリル前部の四隅付近に取り付けるクリップ4個の取り付けが出来ましたら、フロントグリルを車両に取り付けます。
フロントグリル上側のクリップ4個を取り付けます。
以上で作業は完了ですが、騒音計を使用し、道路運送車両法の保安基準に適合しているかを確認する必要があります。
フロントグリル前部に取り付けられているクリップは、経年劣化で硬化している場合がありますので、取り外し、取り付けの際には注意が必要です。
このクリップが破損してしまった場合には、必ず新しいクリップを用意し、交換してからフロントグリルを取り付ける事が大切です。
ホーンを取り付ける際、ホン本体の開口部を横向き、上向き等で取り付けた場合、異物、水分が内部に侵入し、ホーン本体を腐食等させ、ホーン本体の寿命を短くする事に繋がります。
ホーン本体には、走行時に出来るだけ異物、水分等がかからない場所に取り付ける事が必要です。
ホーン本体は、周囲の部品等に接触する可能性がある場所に取り付けた場合、ビビリ音等が発生したり、あるいはホーンが発生する音量等に影響が出る可能性があります。
今回の作業では、ホーンに接続されている配線、及び周囲の配線の取り回しに問題があり、当該箇所の配線の取り回しを修正しています。
これらの配線は、大きく遊ばない様に周囲の安全な部品等に束線バンド(タイラップ)で固定しています。
ホーン本体等を日産純正部品以外の製品と交換する際には、ホーン本体等が消費する電流値等を考慮し、必要であれば配線の変更、強化を行う事が必要となります。
ホーン本体に取り付けられている音量調整用スクリューは、微妙な調整が必要です。
この音量調整用スクリューを多く回転させてしまった場合には、音が全く出なくなるばかりでなく、左右どちらへ回転させても正常な音が出なくなってしまう可能性があります。
微妙な調整が難しい場合には、ホーンボタンを押し、ホーンを鳴らしながら この音量調整用スクリューを少しずつ回転させ、調整する事を推奨いたします。
ホーン本体に取り付けられている音量調整用スクリューを回転させた場合には、この音量調整用スクリュー周辺にシーリングを施す必要があります。
このシーリングを怠ると、音量調整用スクリューと、このスクリューの取り付けネジ穴の隙間から異物、水分等がホーン本体内に入り込み、ホーン本体等の寿命を短くする事に繋がります。
フロントグリルを取り外す際に特に取り外す事を行わなかった前部中央のクリップも点検しておく必要があります。
この前部中央のクリップが破損、脱落等していると、ビビリ音が発生する原因ともなりかねません。
簡単な作業ですが、確実な作業を行う必要があります。