取材車両 B14-317680
入庫日 2005年10月04日
走行距離 140948km
エンジンを正面から・・・
エンジンを正面左側から・・・
アクセルワイヤーガイドを外します
プラグコードを外します
クルマは距離を走ったり、年数が経つと結構色々な所から油脂類が漏れて来ます。
今回紹介する車両もその様な状態になり入庫して来ました。
作業する前に、まず油脂類が漏れている部位を特定します。 この作業が確実でないと根本的な油脂類の漏れは止まりません。
油脂類が上から下へ垂れて落ちたり、走行中の風圧により漏れた油脂類が広い範囲に飛び散ったり・・・。
そんな要素を考慮しながら油脂類の漏れている箇所を確実に特定します。
確実な特定が出来てから修理の作業を実施します。
今回取材しました車両は、エンジンのロッカーカバーパキンからエンジンオイルが漏れて来て修理する事になりました。
これよりロッカーカバーパッキンの交換手順を紹介して参ります。
まず、ロッカーカバーを取り外す際に妨げとなる部品を取り外します。
シリンダーヘッドに取り付けられているアクセルワイヤーガイドを外し、アクセルワイヤーを邪魔にならない様な箇所に移動しておきます。
この際、急な角度を付ける様な移動の仕方はアクセルワイヤーを損傷させてしまう原因になりますので注意が必要です。
続いてプラグコードを外します。
この時にもプラグコードに無理な力が掛からない様に注意が必要です。
ロッカーカバー自身にエンジンルームに対向して見た場合、後方と右側にブローバイホースが接続されています。
このブローバイホースを、ホースバンドをプライヤー等で外してから取り外します。
ブローバイホースは経年劣化により硬化している場合には、交換が必要な場合も多く有ります。
以上で、ロッカーカバーを取り外す際に妨げとなる部品が全て取り外せました。
ロッカーカバーを取り付けているビスを外します。
外側のビスから対角線状に順番に緩め外します。
取り外した部品はトレー等に入れる等して紛失しない様に、また元通り復元出来る様に整理しておきます。
これでロッカーカバーを外す準備は完了です。
ロッカーカバーを手で持ち上げ取り外します。
固着して簡単に持ち上げられない場合には、プラスチックハンマーで軽くロッカーカバーの角部を叩くか、マイナスドライバーをロッカーカバーとシリンダーヘッドの間に挿入しテコの原理を利用して持ち上げ外します。
この場合には、各部品に傷、損傷等を与えない様に行う事が大切です。
ロッカーカバーが外れましたら、ウエス等を敷いた上に逆様にして置きます。
ブローバイホースを外します
ロッカーカバーのビスを外します
外した部品はトレーに入れて保管します
ロッカーカバーが外れました
ロッカーカバーを外す準備が出来ました
シリンダーヘッド
ロッカーカバー(裏側から)
ロッカーカバーパッキンを外します
作業が出来るスペースにウエス等を敷き、ロッカーカバーを移動させます。
この時も逆様にしておきます。
この状態でロッカーカバーからロッカーカバーパッキンを剥がす様に手で外して行きます。
次にブローバイパッキンも外します。
手で簡単に外れない様ならば、プライヤー等で摘みながら外します。
プラグホールパッキンはロッカーカバーと一体となっており、今回はエンジンオイルの漏れが見られない為、交換は見送りました。
ロッカーカバーパッキンとブローバイパッキンが外れたロッカーカバーをパーツクリーナー等で綺麗に清掃します。
また液体パッキンが付着している様であれば綺麗に剥がします。
シリンダーヘッドのロッカーカバー取り付け面も同様にパーツクリーナー等で綺麗にします。
確実に綺麗にしておかないと、新しいパッキンを組み付けてもエンジンオイルが漏れる原因となる場合も有ります。
ロッカーカバーパッキンが外れました
ブローバイパッキンを外します
ブローバイパッキンも外れました
新品のパッキン
取り付け準備完了
ロッカーカバー、シリンダーヘッドのロッカーカバー取り付け面を綺麗に清掃し終わりましたら、準備しておりました新しいロッカーカバーパッキン、ブローバイパッキンを取り付けて行きます。
ロッカーカバーパッキンは全体的に液体パッキンを薄く塗布してから取り付けます。
特にサーキュラープラグ、カムホール等の変形箇所は少しだけ多目に液体パッキンを塗布しておきます。
ロッカーカバーのロッカーカバーパッキン取り付け溝に裏表、左右等を間違えない様に確実にはめ込み取り付けます。
ブローバイパッキンは液体パッキンは塗布せずに取り付けます。
ロッカーカバーのブローバイパッキンを取り付ける突起部にブローバイパッキンに溝を確実にはめ込み取り付けます。
以上迄完了しましたら、ロッカーカバーをシリンダーヘッドに取り付けます。
この時にロッカーカバーを逆様から正規の状態に裏返しますが、取り付けましたロッカーカバーパッキン、ブローバイパッキンが確実に取り付けられ外れていない事を確認します。
確実に取り付けられておりましたら、ロッカーカバーをシリンダーヘッドに取り付けます。
ここから先は、ロッカーカバーを取り外した時とは逆順に組み付けて行きます。
ロッカーカバーの取り付けビスは中央より放射線状に外側へと順番にビスを仮締めし、全てのビスが挿入出来ましたら同じ順番で本締めして行きます。
ロッカーカバーを取り外す際に妨げとなるため、取り外しておりました部品を取り付けます。
この部品等の組み付けが完了しましたら塗布しました液体パッキンが乾くのを待ちます。
今日は約30分待ちました。
エンジンを始動する前に、エンジンオイル漏れを起こしておりましたので、エンジンオイルレベルゲージを抜き取りエンジンオイルに汚れ、量を確認します。
今回は量も少なくなっておりましたが、交換時期に到達しておりましたのでエンジンオイルを交換することになりました。
エンジンオイルを交換し、再度エンジンオイルレベルゲージでエンジンオイルの量を確認した後、エンジンを始動します。
暖気後、エンジンをレーシングしてエンジンオイルの漏れが止まっている事を確認します。
また、アクセルワイヤーガイドを取り外し、アクセルワイヤーを一時移動しましたので、アクセルの踏み加減と戻り加減が正常な状態かも確認する事が非常に大切です。
最後にエンジンを一旦止め、取り外した部品が確実に元通りに組み付けられている事を確認して、今回の作業は完了です。
組み付けが完了しました
レベルゲージを抜き、エンジンオイルを点検します
最後にエンジンオイルの漏れを確認します
エンジン部品が熱い状態でパーツクリーナー等を吹き付けると引火する場合が有りますので、十分に冷めた状態で注意しながら実施する様お願いいたします。