取材車両 HK11-030452
入庫日 2006年12月05日
走行距離 78892km
K11型車 エンジンルーム全景
エンジン冷却水を、ラジエータードレーンプラグを外し抜き取ります。
エンジン冷却水温が高い時、ラジエーターキャップ、ラジエータードレーンプラグ等を外すと、熱湯が噴出する事がある為、エンジン冷却水が冷えている事を確認した後にエンジン冷却水の抜き取り作業を行う事を推奨いたします。
また取り外したラジエータードレーンプラグのパッキンは、新品に交換する事を推奨いたします。
エンジン冷却水が抜き取れましたら、ラジエータードレーンプラグを元通りに取り付けます。
取り外したラジエータードレーンプラグ
ラジエータードレンプラグを外します
エンジン冷却水を抜きます
別件で整備を依頼され入庫して来たHK11型車ですが、納車前のチェックでエアフローセンサースロットルボディーにも不具合がある事が判明しました。
ユーザーに連絡し、エアフローセンサースロットルボディーを交換する事になりました。
このエアフローセンサースロットルボディーの交換手順を紹介して行きます。
エアクリーナーを取り外します
インテークエアダクトを外します
6m/m(頭部10m/m)のボルトを1本外します
大型ホースバンドを緩めます
ブローバイホースを外します
バキュームホースを抜きます
取り外したエアクリーナー
エアフローセンサースロットルボディーの上側に取り付けられているエアクリーナーを取り外します。
エアクリーナーのインテーク側エアダクトを取り外し、エアクリーナー本体を固定している6m/m(頭部10m/m)を取り外します。
エアクリーナーとエアフローセンサースロットルボディーを繋いでいる箇所を固定している大型のホースバンドを緩めます。
ブローバイホース、バキュームホースを抜き、エアクリーナーを取り外します。
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エアクリーナーが外れました
接続されているカプラーを外します
アクセルワイヤーをBkt.から外します
アクセルワイヤーの先端を外します
取り外したアクセルワイヤー先端部
ウォーターホースを抜きます
ウォーターホースが抜けました
バキュームホースを抜きます
バキュームホースが抜けました
本体の取り付けボルトを外します
取り外した本体
本体を取り外しました
エアクリーナーが外れましたら、エアフローセンサースロットルボディーに接続されているカプラーを外します。
アクセルワイヤーを、ロックナットを緩めアジャストナットとの間にクリアランスを設け、ブラケットから外します。
またアクセルワイヤー先端部を、スロットルレバーから外しておきます。
エアフローセンサースロットルボディーにエンジン冷却水を循環させる為のウォーターホース 2本を取り外します。
エアフロセンサースロットルボディー本体に取り付けられているバキュームホースを抜きます。
エアフロセンサースロットルボディー本体を取り付けている8m/mのヘキサゴンボルト 4本を取り外します。
これでエアフロセンサースロットルボディー本体は外れていますので、手で少し持ち上げる様にするとインテークマニホールドから取り外す事が出来ます。
エアフロセンサースロットルボディーが外れましたら、インテークマニホールドに残っているガスケットを剥がし取ります。
この時には、剥ぎ取られる古いガスケットがインテークマニホールド内に入らない様に注意する事が大切です。
綺麗にスクレッパー等でガスケットを剥がし取れましたら、若干残ってしまっているガスケットや表面の荒れをオイルストーン、2000番の耐水ペーパー等で綺麗に取り去り仕上げます。
古いガスケットを剥がし取ります
剥がし取った古いガスケット
綺麗に仕上げました
新品の本体部品
新品のガスケット
エアクリーナー取り付けボルトを取り付けます
インテークエアダクトを取り付けます
ブローバイホースを取り付けます
エアクリーナーケースを取り付けました
エアクリーナーカバーを取り付けました
ラバーパッキンに注意しながらエアクリーナーを取り付けます
ラバーパッキンを取り付けます
ラバーパッキンを取り付けました
カプラーを接続します
アクセルワイヤーを調整し固定します
アクセルワイヤーを取り付けます
アクセルワイヤー先端部を取り付けます
バキュームホース、ウォーターホースを取り付けました
本体の取り付けが出来ました
用意しました新品のエアフロセンサースロットルボディーを確認します。
また取り付けガスケットも交換する必要がありますので、新品のガスケットを用意しておきます。
古いガスケットが綺麗に取れており、清掃も出来ている事を確認した後、インテークマニホールドのエアフロセンサースロットルボディー取り付け部に、用意しておりました新品のガスケットを向きに注意しながら取り付けます。
取り付けた新品のガスケットがずれない様に注意しながら、新品のエアフロセンサースロットルボディーを取り付けます。
エアフロセンサースロットルボディーにバキュームホースを接続します。
続いて、エアフローセンサースロットルボディーにエンジン冷却水を循環させる為のウォーターホース 2本を取り付けます。
アクセルワイヤーを取り付けます。
アクセルワイヤー先端部を、スロットルレバーの取り付け穴へ入れ、スロットルレバー外周の溝にワイヤーを通します。
アクセルワイヤーをブラケットに通します。
アクセルペダルを踏まない状態で、アクセルワイヤーの遊びが無くなる様にアジャストナットで調整します。
続いて、この位置からアジャストナットを3回転緩め、アクセルワイヤーに遊びを設けます。
アクセルワイヤーのロックナットを締め付け、アクセルワイヤーをブラケットに固定します。
エアフロセンサースロットルボディーに付属しているセンサー(エアフロセンサー、スロットルセンサー)のコネクターにカプラーを接続します。
エアクリーナーボディー、エアクリーナーケースを分離し、清掃します。
またエアクリーナーエレメント、ブローバイフィルターに汚れがある場合には交換しておきます。
エアフロセンサースロットルチャンバーの上部にパイプ状のラバーパッキンを取り付けます。
エアクリーナーケースにバキュームホースを接続し、このラバーパッキンがずれ、捻れ、損傷等しない様に注意しながら、エアクリーナーケースを取り付けます。
ラバーパッキンの外側に、ワセリン、シリコングリースを薄く塗布すると、エアクリーナーケースの取り付けがし易くなります。
エアクリーナーエレメントを取り付け、エアクリーナーカバーを取り付けます。
エアクリーナーケースにブローバイホースを接続します。
エアクリーナーケースを6m/m(頭部10m/m)の取り付けボルトを取り付け、固定します。
エアクリーナーのインテーク側エアダクトを、エアクリーナーケースに接続します。
エンジン冷却水を注入します
確認作業を行い、完成です
分解した箇所が、確実に復元させているかを再確認します。
ラジエータードレーンプラグが確実に取り付けられている事を確認し、エンジン冷却水を注入します。
エンジン冷却系統内部のエア抜きを充分に行います。
エアフローセンサースロットルボディーにエンジン冷却水を循環させる為のウォーターホース、ラジエータードレーンプラグの今回交換作業を行う為に取り外した箇所を中心に、エンジン冷却水が漏れていない事を確認します。
車両の試運転を行い、エンジンの運転状態等の状態が正常な事を確認します。
最後に、再度 分解した箇所が、確実に復元させているかを再確認します。
また、エンジン冷却水が漏れていない事を確認し、ラジエーターサブタンク内のエンジン冷却水レベルも確認し、全てが正常である事を確認し、作業は終了です。
分解作業に入る前にエンジン冷却水を抜き取る作業を行いますが、エンジン冷却水温が高い場合には、暫く放置しエンジン冷却水温が低下してからエンジン冷却水を抜き取る様にする事を推奨いたします。
この注意を怠った場合には、熱湯が噴出する等で火傷等の重大な傷害を負う事があります。
インテークマニホールドとエアフロセンサースロットルボディーの間に取り付けられているガスケットを取り除く際、スクレッパー等で作業を行いますが、この時にインテークマニホールド等に傷を付けてしまわない様に注意する事が必要です。
インテークマニホールド内部には、ガスケット屑、その他の異物が入り込まない様に細心の注意が必要です。
異物が入ってしまった場合には、必ず綺麗に取り除く必要があります。
この作業を怠ると、エンジン本体内部に吸入され、最悪の場合にはエンジン本体等を損傷させる場合があります。
また、綺麗に仕上げ作業を行う場合にも、オイルストーン、2000番耐水ペーパー等で作業を行いますが、この場合 出来るだけ少なく作業を行い、平均的に削り取る作業を行う必要があります。
ガスケット痕が1ケ所だけ残っているからといって、この箇所だけを集中して削ると、インテークマニホールド等に歪が発生し、全ての作業が完了後のエアー吸い込み等の原因になる事があります。
新しいガスケットを取り付ける際、少量のワセリン、シリコングリース等を塗布すると、ガスケットがずれずに作業が行い易くなります。
新しいガスケットには、必ずしも液体ガスケットを塗布する必要はありません。
経年劣化の多い車両や、傷が付いてしまった箇所にガスケットを挟む場合には液体ガスケットを少量塗布すると、密閉する事に対しては有利に働きます。
ただし、多く塗布し過ぎた液体ガスケットは、不用意に脱落し作動部品に悪影響を与える場合も多く有りますので注意が必要です。
液体ガスケットには、用途等に応じ種類がありますので、使用目的に照らし合わせ、製品を選択し使用する必要があります。
エアフロセンサースロットルボディーに接続されているカプラーを抜き取っている間は、イグニッションキーはLOCK、OFF位置から動かさない様にします。
イグニッションキーをONの位置にしてしまった場合には、回路オープン(断線)信号を感知してしまいエンジンチェックランプを点灯させてしまう場合があります。
電子制御装置関連部品の交換、整備作業を行った場合、異常な信号が検出されていないかどうか、日産自動車系ディーラーで専用診断機"NISSAN
Consalt U"を使用し、確認する必要があります。