取材車両 W30-726956
入庫日 2007年01月05日
走行距離 107234km
助手席シート
クランプ2箇所を外し・・・
シートを跳ね上げます
ユーザーからの依頼は、エンジンルーム付近からガソリンの臭いがするので点検してほしいと言うもの。
早速 確認すると、確かにエンジンルーム付近からガソリンの臭いがします。
車両をリフトアップして確認すると、エンジン上部付近からガソリンが漏れているようです。
車両をリフトから降ろし、エンジン上部から確認出来る様にエンジンルームカバーを取り外す事にします。
助手席シートのクランプ2箇所を外し、シートを跳ね上げます。
運転席シート
取り付けボルトを外します
運転席シートが外れました
シートを外した状態の運転席
センターコンソール取り付けビス2本を外します
センターコンソール取り付けビス1本を外します
セレクターレバー前方のクラスターリッドを外します
センターコンソール左前側のサイドカバーを外します
カップホルダー内の取り付けビスを外します
コンソールボックス内の取り付けビスを外します
取り外したセンターコンソール
アッシュトレー照明灯のコネクターを外します
センターコンソールが外れた状態の運転席付近
運転席&助手席周辺のフロアカーペットが外れました
運転席下のエンジンルーム点検用ホールカバーを外しました
運転席&助手席フロアパネルを外します
運転席シートベルトセンサーのカプラーを外します
運転席&助手席フロアパネルが外れ、エンジンルームが・・・
外れた運転席&助手席フロアパネル
エンジンが上側から見る事が出来る様になりました
運転席シートのシートレールを車体に取り付けているボルト4本を取り外します。
運転席シートのリクライニングレバーを操作し、シートバックを前方に倒し車両から運転席シートを取り出します。
この時、運転席シートを車体等に接触させ傷等を付けない様に注意が必要です。
センターコンソールを取り外して行きます。
セレクターレバー前方のクラスターリッドを手前に引き出し、E-ATスイッチ、シガライターのカプラーを取り外し、セレクターレバー前方のクラスターリッドを外します。
センターコンソール取り付けビス2本を取り外します。
センターコンソール左前側のサイドカバーを取り外します。
センターコンソール取り付けビス1本を取り外します。
カップホルダー内、コンソールボックス内の取り付けビス、それぞれ2本を取り外します。
アッシュトレー照明灯のカプラーを取り外します。
上側に持ち上げる様にセンターコンソールを取り外します。
運転席&助手席周辺のフロアカーペットを外します。
この時、シートベルトストライカーを引っ掛けない様に注意しながら取り外す必要があります。
運転席シート下側のエンジンルーム点検用ホールカバーを取り外します。
運転席&助手席フロアパネルの取り付けボルトを外し、運転席シートベルトセンサーのカプラーも外し、エンジンルームカバーも兼ねている運転席&助手席フロアパネルを取り外します。
エンジンルームカバーを兼ねている運転席&助手席フロアパネルが外れると、エンジンを上側から見る事が出来ます。
フューエルパイプとフューエルデリバリパイプを繋ぐフューエルホースが濡れており、このフューエルホースからガソリンが漏れている事が目視により確認する事が出来ました。
シリンダーブロックにも近く、高温になる部品の近くでガソリンが漏れていたようで、危険な状態であった事が確認出来ました。
用意したフューエルホース(日産純正部品)
ガソリンが漏れているフューエルホースを外します
プライヤ等で回す様に捻ります
取り外したフューエルパイプ取り付けボルト
フューエルパイプをシリンダヘッドから外します
フューエルパイプをフリーにします
フューエルデリバリパイプからフューエルホースを抜きます
フューエルホースが外れました
新品のフューエルホースの長さを決め・・・
切断します
新品のホースにホースバンドを取り付けます
取り外したフューエルホース・・・
フューエルホースをデリバリパイプに挿入し・・・
フューエルパイプも挿入します
ガソリンが漏れていたフューエルホースの交換が完了しました
同じ様な状態のフューエルホース
ガソリンが漏れてはいませんが交換しました
エンジン周辺のフューエルホースの交換が完了しました
更にフューエルフィルターも交換します
新品のフューエルホース(日産純正部品)を用意します。
このフューエルホースは、各ホースの長さ・形状に加工されている物ではなく、長尺物となっている為、各ホースの長さに合わせてニッパ、ナイフ等で切断する必要があります。
ガソリンが漏れているフューエルホースを取り外します。
ホースバンドを余裕をもって緩め、プライヤ等でフューエルホースを回転させる様に捻ります。
この時、フューエルパイプ等に傷を付けたり変形させない様に注意する事が大切です。
フューエルホースに接続されているフューエルパイプ(フューエルフィルター側)をシリンダヘッドに取り付けているボルト2本を取り外し、このフューエルパイプをフリーな状態とします。
フューエルパイプがフリーな状態となりましたら、ガソリンが漏れているフューエルホースをフューエルデリバリパイプ、フューエルパイプから抜き、取り外します。
このガソリンが漏れているフューエルホースは熱によって硬化しており、この様にフューエルパイプを取り外しフリーにするか、もしくはニッパ、ナイフ等で切断しないと取り外す事は困難となります。 また無理をするとフューエルパイプ等を変形させてしまう事がありますので注意が必要です。
ガソリンが漏れているフューエルホースが外れましたら、予め用意しておりました新品のフューエルホースを、取り外したフューエルホースの長さに合わせて切断します。
取り外したフューエルホースに挿入されているホースバンドを抜き、新品のフューエルホースに挿入します。
これで、新しいフューエルホースの準備が出来ました。
ここで取り外したガソリンが漏れていたフューエルホースを確認してみる事にします。
フューエルパイプが挿入されている部分に、全周に渡ってヒビが入っています。
熱で硬化した上に、ホースバンドで締め付けられている為にヒビ割れが発生したものと思われます。
このヒビからガソリンが湧き出す様に漏れていたようです。
準備が出来た新品のフューエルホースをフューエルデリバリパイプ、フューエルパイプに挿入し、フリーにしていましたフューエルパイプをシリンダヘッドに元通りに固定します。
ホースバンドを締め付け、新品のフューエルホースの取り付けが完了しました。
エンジンルーム内には、今回ガソリン漏れを起こしたフューエルホースと同等のフューエルホースがあと4本取り付けられています。
先程フリーな状態としたフューエルパイプのフューエルフィルター側に取り付けられているホース、フューエルリターンホースです。
そしてフューエルフィルターのIn側、Out側のフューエルホースです。
この4本のフューエルホースも、同じ様に硬化していると判断出来、近い将来ガソリン漏れを起こす可能性が非常に高い為、今回 同時に交換する事にしました。
また、総走行距離が100000kmを越え、フューエルフィルターの交換時期にもなっていますので、同時にフューエルフィルターの交換も行いました。
フューエルフィルターはPITWORKブランドの製品を用意しました。
フューエルフィルターIn側のフューエルホースはエンジンルーム下側から、フューエルフィルターOut側のフューエルホースはエンジンルームの上側から取り外します。
ブラケットにはめ込まれているフューエルフィルターを外し、フューエルフィルターIn側、Out側に取り付けられているフューエルホースと共に取り外します。
フューエルポンプリレーを外します
バッテリー横のリレーボックス
運転席&助手席付近を元通りに組み付けました
今回の作業で交換したホース、フィルター
フューエルフィルター&ホースを交換しました
全ての交換作業が完了したエンジンルーム
エンジンルーム下側から見ています
交換作業中のフューエルフィルター&ホース
取り外したフューエルフィルター&ホース
取り外した物(上側)と新品(下側)
フューエルフィルターも用意しました
取り外したフューエルフィルターのIn側、Out側に挿入されているフューエルホースの長さを測定し、新品のフューエルホースをこの長さに合わせて切断します。
新たに切断した新品のフューエルホースを、新品のフューエルフィルターIn側、Out側それぞれに挿入しホースバンドを締め付けておきます。
新品のフューエルフィルターをブラケットにはめ込み、フューエルフィルターIn側、Out側のフューエルホースをそれぞれフューエルパイプに挿入し、ホースバンドを締め付けます。
これでフューエルホース、フューエルフィルターの交換作業は完了です。
再度 交換しましたフューエルホース、フューエルフィルターの取り付け具合を確認し、確実に取り付けられている事を確認します。
イグニッションキーをON位置まで回し、フューエルポンプが作動した時にガソリンが漏れていない事を確認します。
エンジンを運転状態とし、ガソリンが漏れていない事を充分に確認します。
ガソリンの漏れが無い事が確認出来ましたら、先に取り外しておりました運転席&助手席フロアパネル、センターコンソール、運転席シート、助手席シート等を元通りに組み付けます。
以上でガソリンが漏れていましたフューエルホースの交換、及びエンジンルーム内の同等のフューエルホース、フューエルフィルターの交換作業は全て完了となりました。
今回の作業では、既にガソリンが漏れており、燃圧が抜けてしまった状態の為にそのまま作業に入りましたが、本来はフューエルパイピング内に掛かっている燃圧を予め除去してから作業を行う必要があります。
車両のボンネット内にあるバッテリーの横、フロントストラットタワーRh.部付近に取り付けられているリレーボックスに取り付けられているフューエルポンプリレーを取り外し、フューエルポンプに駆動電圧が掛からないようにしてからエンジンをクランキングします。
エンジ停止後も少しの時間クランキングをくり返し、フューエルパイピング内の燃圧を除去します。
この作業を行わないでフューエルホース等を取り外した場合には、燃圧が掛かっている為 ガソリンが勢いよく噴出し、エンジン等が高温の状態下では引火等の危険性があります。
フューエルホースを交換する場合には、燃料漏れを起こしているフューエルホースのみではなく、今回の様に同等の材質、使用過程にあるフューエルホースは全て同時に交換する事を推奨いたします。
燃料漏れを起こしているフューエルホースのみを交換すると、交換していないフューエルホースの負担が多くなり燃料が漏れ出す危険性があります。
フューエルホースをフューエルパイプから抜き取る際、プライヤ等で回し捻る様に抜きますが、フューエルパイプ等に傷を付けたり変形をさせない様に充分な注意が必要です。
難しい場合には、抜き取るフューエルホースをナイフ等で裂きながら抜き取る事も行います。
新しいフューエルホースをフューエルパイプ等に挿入する場合には、フューエルホース内部にルーセン等を塗布し、フューエルパイプ等を滑る様に挿入する様にします。
この様に滑る様に挿入しない場合には、フューエルホース内部が損傷したり、あるいはフューエルパイプ等が変形する事があります。
フューエルホースに取り付けるホースバンドを締め付ける場合には、目一杯に締め付ける事は避け、適度な締め付けとする事を推奨いたします。
目一杯にホースバンドを締め付けると、フューエルホースに亀裂が入ったり、交換後 時間が経過してから燃料漏れが発生する可能性があります。
フューエルフィルターにはIn側、Out側が指定されています。
この向きを間違って取り付けてしまうと燃料供給が確実に行えず、エンジンが高回転域で運転できなくなったリ、エンジンストールの原因となってしまいます。
エンジン等が確実に冷えた状態となってからこれらの作業を行う様にします。
燃料が高温部位に掛かると、引火等の危険性があり、車両火災、あるいは作業者自身が重大な障害を負う可能性があります。
フューエルホース、フューエルフィルターの交換は比較的簡単に行える作業です。
しかし作業後に燃料漏れを起こした場合、車両火災等の重大な事故に繋がる可能性があります。
充分に注意しながら作業を行い、作業完了後には必ず再確認をし、燃料漏れ、交換部品の取り付け具合をくり返し確認する事を推奨いたします。