取材車両 FB15-058068
入庫日 2009年09月28日
走行距離 66987km
新品のイグニッションコイルを取り付けました。
エンジンを始動し、アイドリング時の振動の状態、加速時のエンジンの吹け上がり具合等を確認します。
エンジンが暖気状態である事を確認し、試運転を行いました。
エンジンの運転状態は、アイドリング時、加速時共に正常な状態となっており、他の運転状態においてもエンジンの運転状態は正常な状態となっています。
第2気筒のイグニッションコイルのカプラーを外し点検中
突然にエンジンの振動が大きくなり、加速時の力も同時に低下したと言った故障を訴える修理依頼が飛び込んで来ました。
早速に現車を入庫していただき、症状を確認させていただく事にします。
エンジンのアイドリング運転時では振動がかなり大きくなっており、レーシングすると4気筒中の1気筒が停止しているかの様な運転状態となっています。
今回の修理では、”NISSAN CONSULT-U”等を使用しなくても、簡易的な方法で故障探求が出来る修理内容でした。
しかし、少しの疑問が残る場合には、”NISSAN CONSULT-U”等を使用し故障探求の精度を高める必要があります。
また、今回の作業でも実施しておりますが、修理作業が完了後には、”NISSAN CONSULT-U”等を使用しフォルトコードを記憶していないか、他に故障箇所が発生していないかを確認しておく事を推奨致します。
新品のイグニッションコイルを全ての気筒分、注文しました。
日産純正部品
イグニッションコイル
品番 22448-4M50A (4個)
全ての気筒のスパークプラグを取り外し、スパークプラグの焼け具合を目視により確認しました。
全ての気筒のスパークプラグの焼け具合はほぼ同一で若干くすぶり気味となっています。
スパークプラグは、交換時期、消耗具合等を勘案し、再使用する事となりました。
今回の故障原因では、イグニッションコイルは、第2気筒のみが不良となった様ですが、今後の車両使用の状況を勘案した上で、同様に使用し続けて来たイグニッションコイルは全ての気筒で交換する事と致しました。
エンジンを停止させ、全ての気筒のイグニッションコイルを取り外しました。
エンジンを運転中、第1気筒から第4気筒まで、1気筒ずつイグニッションコイルに接続されていますカプラーを外し、簡易的にイグニッションコイルの作動を停止させます。
第1気筒・・・エンジンの振動が大きくなった。
第2気筒・・・エンジンの振動は同じ。
第3気筒・・・エンジンの振動が大きくなった。
第4気筒・・・エンジンの振動が大きくなった。
この結果を受け、エンジンが不調の原因は第2気筒にある事が判明しました。
続いて、この判定結果では第2気筒のイグニッションコイルが不良なのか、あるいは第2気筒の他の部品の不良なのかが特定出来ない為、エンジンを停止させ第2気筒のイグニッションコイルと第3気筒のイグニッションコイルを入れ替え、再びエンジンを始動しました。
引き続き、上記と同様に・・・
エンジンを運転中、第1気筒から第4気筒まで、1気筒ずつイグニッションコイルに接続されていますカプラーを外し、簡易的にイグニッションコイルの作動を停止させます。
第1気筒・・・エンジンの振動が大きくなった。
第2気筒・・・エンジンの振動が大きくなった。
第3気筒・・・エンジンの振動は同じ。
第4気筒・・・エンジンの振動が大きくなった。
この結果を受け、エンジンが不調の原因は第3気筒にある事が判明しました。
以上の簡易テストの結果を受け、最初に第2気筒に取り付けられておりましたイグニッションコイルの不良により、エンジンが不調となっている事が判明しました。
原因は、多分イグニッションコイルだと思われました。
仮想原因を肯定原因とする為、イグニッションコイルの作動点検を簡易的に行う事にします。
今回の症例の様に、イグニッションコイルが不良となった場合には、エンジンを運転中にアイドリング時において振動が大きくなったり、加速時に十分な出力が得られない等の不具合が感じられますが、未燃焼ガスが大気中に放出され地球環境に悪影響を及ぼす結果に繋がったり、未燃焼ガスの排出後に燃焼後の高温状態の排気ガスが排出される事による触媒の焼損等、複数の不具合が発生する事となります。
大気汚染に直接繋がる故障現象だけに、出来るだけ早期に修理を完了させる事を推奨致します。
FB15型車 エンジンルーム全景
第3気筒のイグニッションコイルのカプラーを外し点検中
イグニッションコイルを取り外しました
スパークプラグの焼け具合を点検します
用意した新品のイグニッションコイル
故障原因と疑われるイグニッションコイル
取り外したイグニッションコイル
用意した新品のイグニッションコイル
イグニッションコイルを交換しました