取材車両 S15-500990
入庫日   2005年12月12日
走行距離 50185km

ファイナルドライブを下側から見ます

フィラープラグ(左側)とドレーンプラグ(後ろ側)

ドレーンプラグを取り外しギヤオイルを抜きます

取り外したドレーンプラグ

綺麗に清掃したドレーンプラグ

ドレーンプラグを取り付けフィラープラグを取り外しました

取り外したフィラープラグ

ギヤオイルを注入します

基準ギヤオイル量確認方法

フィラープラグ取り付け穴からギヤオイルが溢れ出ました

溢れ出たギヤオイルは出し切ります

フィラープラグを取り付け完成です

今回は、ユーザーからの依頼によりファイナルドライブ&ディファレンシャルギヤのギヤオイルを交換します。


車両をリフトアップし、ファイナルドライブに取り付けられているギヤオイルを抜く為のドレーンプラグと、ギヤオイルを注入する為のフィラープラグを確認します。

この車両の場合には、後ろ側にドレーンプラグ、左側にフィラープラグが取り付けられています。

なお、ドレーンプラグは後ろ側に取り付けられている方で、フィラープラグは左側に取り付けられている方です。

ドレーンプラグ、フィラープラグ共に12.7sq.のハンドルで回す事が出来ますが、対面寸法は13.5m/mとなっており、専用の工具も各工具メーカーより発売されておりますので、この専用工具を使用する事をお奨めいたします。

ドレーンプラグを取り外し、ギヤオイルを抜き取ります。
勢い良く出て来る場合が有りますので、注意しながらドレーンプラグを取り外します。

また、先にフィラープラグを取り外しておくと、空気の流入口が確保される為、ギヤオイルの抜き取りがスムーズになる場合が有ります。

取り外したドレーンプラグを確認します。

ドレーンプラグには鉄粉吸着用のマグネットが取り付けられており、マニュアルトランスミッションが回転するに従い発生する鉄粉を吸着させ、ギヤオイルに混ざり合って循環しない様に工夫されています。

ドレーンプラグに吸着されております鉄粉を綺麗に清掃し、取り除きます。

また、ドレーンプラグには液体パッキンがネジ部に塗布され取り付けられていますので、古い液体パッキンを綺麗に取り除き、新たにネジ部に液体パッキンを塗布してから元通りに取り付ける様にします。

ドレーンプラグのネジ部に液体パッキンを塗布しましたら、ファイナルドライブにドレーンプラグを取り付けます。

続いてフィラープラグを取り外します。

フィラープラグを取り外しましたら、綺麗に清掃します。

このフィラープラグには、ドレーンプラグの様に鉄粉吸着用のマグネットは取り付けられていません。


また、フィラープラグにもドレーンプラグと同じ様に液体パッキンがネジ部に塗布され取り付けられていますので、古い液体パッキンを綺麗に取り除き、新たにネジ部に液体パッキンを塗布してから元通りに取り付ける様にします。

フィラープラグ取り付け穴からギヤオイルを注入します。

ギヤオイルはハイポイドギヤ用GL-5 80W-90が指定されていますので、粘度指数は必ず規定の物を使用して下さい。

ギヤオイルの基準注入量は、ファイナルドライブのフィラープラグ取り付け穴の下限です。

一般的には、フィラープラグ取り付け穴からギヤオイルを注入し、この穴から溢れ出れば基準値迄注入出来たと考えます。

フィラープラグ取り付け穴からギヤオイルが溢れ出て来ました。

ここで、ギヤオイルの注入を停止します。

溢れ出て来ましたギヤオイルは抜け切らせて下さい。

溢れ出て来ている状態でフィラープラグを取り付けると、ギヤオイルの注入量が規定量よりも多すぎ、車両運行時等にファイナルドライブに取り付けられているエアブリーダーからギヤオイルが噴き出してくる場合が有ります。

ギヤオイルが溢れ出て来るのが止まりましたら、念の為にフィラープラグ取り付け穴に指等を差し込み、確実にギヤオイルが基準値迄注入されている事を確認します。

ギヤオイルの注入方法により、まれにギヤオイルが溢れ出て来ているのにギヤオイルが規定量入っていない事が有ります。

これは、ギヤオイルを注入する時に使用する工具の形状により、ファイナルドライブ内部のギヤ等に干渉し、ギヤ等に跳ね返りギヤオイルが溢れ出て来る場合が有るからです。

ギヤオイルが確実に規定量注入出来ましたら、古い液体パッキンを綺麗に取り除き、新たにドレーンプラグのネジ部に液体パッキンを塗布しましたら、ファイナルドライブにフィラープラグを取り付けます。

再度、ドレーンプラグ、フィラープラグに締まり具合を確認します。

最後に、ファイナルドライブ外部に付着したギヤオイル等をパーツクリーナー等で綺麗に洗浄します。

この時に、エキゾーストチューブ等が熱い場合、パーツクリーナー等に引火する場合が有りますので、エキゾーストチューブ等の部品は手で触っても大丈夫な温度以下になってからパーツクリーナー等を使用して下さい。


ドレーン&フィラープラグ専用工具

基準オイル量

D/Fギヤオイル交換