取材車両 AK12-842840
入庫日 2009年08月11日
走行距離 65707km
左右のディスクパッドを交換し、ディスクキャリパーを取り付けた後、車両に乗り込みブレーキペダルを数回踏み込みます。
ブレーキペダルを5回以上踏み込み、踏み込み量に差異がなくなったのを確認した後、ブレーキマスターシリンダーリザーバータンク内のブレーキフルードレベルを確認します。
フロントディスクパッドを交換した後である事から、ブレーキマスターシリンダーリザーバータンク内のブレーキフルードレベルの量はMax.にある事を確認しておきます。
多過ぎる場合には、排出を・・・、
少な過ぎる場合には、現在ブレーキマスターシリンダーリザーバータンク内に入っておりますブレーキフルードと同一のブレーキフルードを補充しておく必要があります。
スライドピンを兼ねた取り付けボルトに、薄く二硫化モリブデングリースを塗布します。
ディスクキャリパーを取り付け、スライドピンを兼ねた取り付けボルトで固定します。
トルクメンバーに、ディスクパッドを取り付けます。
新たに取り付けるディスクパッドが、取り外したディスクパッドと同一の製品か、あるいは装着が可能な製品化を見極めて取り付ける必要があります。
ピストンが出ています
ロードホイールを取り外した際、目視でディスクローターを点検した際に偏磨耗が見受けられていました。
この結果を受け、ディスクローターを研磨修正する事にします。
ナックルにトルクメンバーを取り付けておりますボルト 2本を取り外します。
トルクメンバーに嵌め込まれる様に取り付けられていますディスクパッドを取り外します。
同時に、ディスクパッド間に取り付けられていますリターンスプリングも外します。
取り外したリターンスプリングを点検し、異常があれば交換・・・、
再使用する場合には、パッドダスト等を綺麗に清掃しておく必要があります。
フロントディスクパッドが磨耗し、そろそろ交換時期が迫って来ました。
複数のメーカーが数多くの種類を製造・販売しているディスクパッド・・・。
そんな中で、比較的新しくラインアップされた製品を使用してみる事にしました。
”株式会社 ミノルインターナショナル”社製の”Braking Meister ZONE”・・・。
”Braking Meister ZONE”の中でも摩擦材を”10F”とする事としました。
車両にロードホイールを取り付け、トルクレンチで本締めします。
この後、ブレーキテスターで製動力の測定を行い、整備主任者が完成検査を実施して作業は完了となります。
ディスクキャリパーのピストンを押し込みます。
デゥスクキャリパーピストンツールを使用し、軽い力で押し込む事が出来、尚且つ引っ掛かり等がなく押し込む事が可能な事を確認しておきます。
通常は、左右一輪ずつの作業となりますが、今回のように左右同時にディスクキャリパーを取り外して折り場合には、片側のディスクキャリパーピストンが飛び出さないように適宜かませ物を施してから、もう片側のディスクキャリパーピストンを押し込むようにします。
ディスクパッドにリターンスプリングを取り付けます。
ディスクローターを取り付けた後、トルクメンバーを取り付けます。
二硫化モリブデングリースを薄く塗布した取り付けボルト
リザーバータンクの液面レベルを確認しておきます
トルクレンチを使用し、ホイールナットを締め付けます
トルクメンバーのスライドピン挿入穴、ダストブーツの清掃が終わりましたら、ダストブーツをトルクメンバーに取り付けておきます。
トルクメンバーのスライドピン挿入部にグリースを注入します。
今回は、二硫化モリブデングリースを選択し、注入しました。
トルクメンバーに取り付けられている、ディスクパッドのガイドとなっているプレートも、取り外し綺麗に清掃しておくようにします。
取り外したトルクメンバーのスライドピン挿入部の清掃を行います。
ダストブーツ 2箇所を取り外します。
ダストブーツ内部も清掃し、亀裂・損傷等が無い事を点検しておきます。
トルクメンバーのスライドピン挿入穴に入っているグリースを取り出し、綺麗に清掃します。
トルクメンバー スライドピン挿入部を清掃します
ディスクローターを取り外します
トルクメンバーを取り外しましたら、ディスクローターを取り外す事が可能となります。
しかしながら、ナックルのハブ部分と、ディスクローター中央部分に錆が発生し、錆び付いて外れない事が多々あります。
当該車両においても、やはりこの様な状態となっておりました。
ナックルのハブ部分と、ディスクローター中央部分にルーセン等を噴射し、少しの時間 放置しておきます。
その後、銅ハンマー等で軽く衝撃を与えながら、ディスクローターを取り外しました。
ディスクローターが外れましたら、ナックルのハブ部分に発生しております錆を取り除いておきます。
今回は、真鍮ワイヤーブラシルーターをエアドリルに取り付け、錆を取り除きました。
左右共に、ディスクローターの研磨を行います
トルクメンバーを取り外します
ディスクパッドを取り外します。
ディスクキャリパーをトルクメンバーに固定している、スライドピンを兼ねた取り付けボルト 2本を取り外します。
取り外したスライドピンを兼ねた取り付けボルトは、綺麗に清掃しておきます。
ディスクキャリパーがトルクメンバーから外れましたら、ブレーキホースに突っ張り、捩れ等が発生しないように、予め用意しておりましたS字フックで適切な部位に掛けて吊り下げておきます。
外したスライドピンを兼ねた取り付けボルト
スライドピンを兼ねた取り付けボルトを外します
残量僅かな取り外したディスクパッド
取り外したディスクパッド
車両をリフトアップし、ロードホイールを取り外します。
ディスクローターを目視にて確認すると、若干の偏磨耗が見受けられました。
入庫して来た車両の作業を開始する前に、ロードホイールの締まり具合をトルクレンチを使用し、確認しておきます。
当該車両の場合、適切なトルクでロードホイールは締め付けられていました。
”Braking Meister ZONE”
トルクメンバーを取り付けました
ディスクパッドにリターンスプリングを取り付けました
ピストンを奥まで押し込みました
ディスクブレーキピストンツールを使用し、ピストンを押し込みます
スライドピン挿入穴を綺麗に清掃します
ハブ部分にルーセンを吹き付けます
取り外したディスクローター
取り外した左右のディスクローターを研磨・修正しました。
研磨・修正した後、ディスクローターの厚みをノギスで測定します。
この測定値が、ディスクローターの使用限度値以下になっていない事を確認しておく必要があります。
この測定値が、ディスクローターの使用限度値以下となっている場合には、ディスクローターを交換する必要があります。
トルクメンバーに嵌めこまれたディスクパッドを取り外します
ロードホイールが外れました
今回の作業では、車両に当初取り付けられておりましたパッドシムは、あえて取り外しております。
単にディスクブレーキの異音防止用に取り付けられておりますパッドシムは、ブレーキング時でのダシレクト感を曖昧にしてしまう恐れがある為です。
今回の作業では、ディスクパッドにパッドグリースは塗布せず取り付けています。
単にディスクブレーキの異音防止用に塗布されておりますパッドグリースは、ブレーキング時でのダシレクト感を曖昧にしてしまう恐れがある為です。
ディスクキャピリパーにピストンを押し込む際、ディスクキャリパーピストンツールを動かす力が非常に大きかったり、引っ掛かり等がある場合には、ディスクキャリパーのオーバーホールを行う事を推奨致します。
ディスクパッドを、サーキット仕様の製品等に交換した場合には、ブレーキフルード等も それに見合った性能の製品に交換する事が必要となる場合もあります。
ブレーキフルードは、違った種類の製品を混ぜて使用する事は避ける様にします。
ブレーキフルードを補充する必要がある場合には、ブレーキマスターシリンダーのリザーバータンク内に入っているものと同一のブレーキフルードを使用する必要があります。
現在、ブレーキマスターシリンダーのリザーバータンク内に入っているブレーキフルードが不明な場合、あるいは同一のブレーキフルードが入手出来ない場合には、ブレーキマスターシリンダーのリザーバータンク内、及びブレーキ配管内のブレーキフルードを全量交換する必要があります。
今回の作業は、道路運送車両方で定められる分解整備に該当する整備となっております。
国土交通省 地方運輸局長の認証工場で作業を行い、整備主任者が完成検査を実施する必要があります。
取り外したパッド(左側) : 新品(右側)
取り外したパッド(上側) : 新品(下側)
ディスクパッドを取り付けました
ディスクキャリパーを取り付けました
ディスクキャリパーを取り付けました
ディスクパッドの交換作業は完了です
ディスクローターを取り付けました
錆びを取り除いたナックルのハブ部分
ダストブーツ 2箇所を外しました
ダストブーツを外します
ハブ部分が錆びて、固着しています
ディスクローターが外れました
研磨・修正が完了したディスクローターを取り付けます。
ディスクローターは脱脂し、油脂等が付着していない状態で取り付けます。
研磨が完了したディスクローター
研磨済みのディスクローターを取り付けます
取り外したトルクメンバー、取り付けボルト
取り付けボルト 2本を取り外します
ディスクキャリパーを取り外します
S字フックで吊り下げておきます
ディスクキャリパーがを取り外しました
ディスクパッドが外れたトルクメンバー
”Braking Meister ZONE” 10F
予め、ロードホイールの締め付け具合を確認します
ディスクローターが偏磨耗しています
ディスクローターが偏磨耗しています