取材車両 S15-500990
入庫日 2005年10月30日
走行距離 45895km
今日は、ユーザーの志向によりエキゾーストマニホールドをステンレス製等長タイプの製品に交換します。
今回選定した製品はFUJITSUBO社製 Super EXです。
キットの内容です
付属の取り付け説明書等
作業前の状態
早速、作業を開始します。
今回、ユーザーが車両を持ち込まれて直ぐに作業を開始しましたが、運転直後はエンジンルーム内の部品が熱くなっており、特にエキゾーストマニホールド及び周辺部品はかなりの高温になっていますので、エンジン停止後ある程度時間が経過して部品の温度が下がった状態で作業を実施する事を推奨いたします。
また、部品を取り外す際、取り付ける際には周辺の部品等に傷を付ける等無い様に、接触する可能性の有る部位にはウェス等で保護する事を推奨いたします。
フロントチューブ、エキゾーストマニホールド側
フロントチューブ、触媒側
O₂センサーのカプラーを外します
カプラーをブラケットから外します
エンジンルーム側からO₂センサーのカプラーを外し、カプラーをブラケットから外します。
O₂センサーのカプラーを外す際、中に防水用のシーリングラバーが入っていますので、脱落させて紛失しない様に注意します。
O₂センサーの配線はブラケットに2箇所クリップで固定されていますが、裏側からラジオペンチ等で軽く摘む事によって外す事が出来ます。
無理に引っ張って外そうとすると、クリップを損傷させて取り付ける際元通りに復元出来なくなったり、ブラケットが曲がってしまう原因になりますので注意して下さい。
O₂センサーとブラケットが外れました
ヒートシールドプレートが外れました
O₂センサーのカプラーが固定されているブラケットを8m/mの取り付けボルト2本を外し、取り外します。
続いて、エキゾーストマニホールドを覆う様に取り付けられているヒートシールドプレート(遮熱板)を6m/mの取り付けボルト6本を外し、取り外します。
この6m/mのボルトは排気熱によって焼けており、工具を使用してもなかなか緩まない事が多々有ります。
この様な場合にはルーセン(浸透潤滑剤)等を噴き付け、暫く時間をおいてから工具を使用して緩める様にします。
車両の下側へ入ります。
触媒に取り付けられているヒートシールドプレートを外します
ヒートシールドプレートが外れました
エキゾーストマニホールドとフロントチューブの接続部
A/Tとフロントチューブの接続部
触媒に取り付けられているヒートシールドプレートを6m/mの取り付けボルト4本を外し、取り外します。
この6m/mのボルトも排気熱によって焼けており、工具を使用してもなかなか緩まない事が多々有りますので、ルーセン(浸透潤滑剤)等を噴き付け、暫く時間をおいてから工具を使用して緩める様にします。
A/Tとフロントチューブを接続している8m/mのボルト1本を外します。
ここ迄外れましたら、触媒の下側に当て物を置き、エキゾーストチューブが下がってしまわない様にします。
エキゾーストチューブが下がってしまうと、リヤマフラーのエンド部が吊りゴムを支点にして上がってしまい、リヤバンパーに接触してし損傷させる事が有ります。
車両の下側からエンジンルームを見る様にすると、エキゾーストマニホールドとフロントチューブの接続部が見えます。
この接続部に10m/mのナット3個が取り付けられていますので、先にルーセン(浸透潤滑剤)等を噴き付け、暫く時間をおいてから工具を使用して緩める様にします。
また途中で硬く回すのが困難になりましたら、再度ルーセン(浸透潤滑剤)等を吹き付けながら工具を使用して緩めて行きます。
外れましたら、次はフロントチューブと触媒の接続部に10m/mのボルト2本が付けられていますので、先にルーセン(浸透潤滑剤)等を噴き付け、暫く時間をおいてから工具を使用して緩める様にします。
また途中で硬く回すのが困難になりましたら、再度ルーセン(浸透潤滑剤)等を吹き付けながら工具を使用して緩めて行きます。
この2箇所を取り付けているボルト、ナットはかなり排気熱によって焼けてしまっていますので注意しながら外します。
工具を使用して緩めて行く途中で焼き付きますと、ボルトが折れてしまいますので、一旦少し締めてルーセン(浸透潤滑剤)等を吹き付けながら慎重に行ってください。
触媒の下側に当て物を置きます
フロントチューブが外れました(エキゾーストマニホールド側)
フロントチューブが外れました(触媒側)
エキゾーストマニホールドを外します
エキゾーストマニホールドが外れました
取り外した部品
古いガスケットが残っています
綺麗にガスケットを取りました
フロントチューブが外れましたらエンジンルーム側からエキゾーストマニホールドを10m/mの取り付けナット8個を、先にルーセン(浸透潤滑剤)等を噴き付け、暫く時間をおいてから工具を使用して緩める様にします。
また途中で硬く回すのが困難になりましたら、再度ルーセン(浸透潤滑剤)等を吹き付けながら工具を使用して緩めて行きます。
この取り付けナットもかなり排気熱によって焼けてしまっていますので注意しながら外します。
工具を使用して緩めて行く途中で焼き付きますと、ボルトが折れてしまいますので、一旦少し締めてルーセン(浸透潤滑剤)等を吹き付けながら慎重に行ってください。
エキゾーストマニホールドが外れましたら古いガスケットを取ります。
手で簡単に取る事が出来ますが、一部残ってしまう場合がほとんどですので、残ってしまったガスケットはスクレーパーで丁寧に取ります。
この場合には、シリンダーヘッド内にガスケット屑等の異物が入り込まない様に注意しながら行います。
またシリンダーヘッドはアルミニューム合金製ですので、傷が付き易いのでスクレーパーの取り扱いにも十分に注意しながら作業を行ってください。
Super EXの梱包を解き、内容を確認します。
取り外したエキゾーストマニホールドに取り付けられているO₂センサーを専用レンチまたはメガネレンチ等を使用して取り外します。
この場合にもルーセン(浸透潤滑剤)等を予め吹き付けておいてから取り外します。
スパナ、モンキーレンチ等を使用すると、O₂センサーの工具を掛ける部位の角を損傷する場合が有りますので推奨出来かねますので避けるか、特に注意をしながら作業を行います。
取り外したO₂センサーをSuper EXに取り付けます。
梱包を解いたSuper EX
O₂センサーを組み替えます
O₂センサーが外れました
O₂センサーをSuper EXに取り付けました
キットに付属の新品のガスケットを取り付けます
キットに付属の新品のエキゾーストマニホールドガスケットを、シリンダーヘッドのエキゾーストマニホールド取り付け部に向きを注意しながら取り付けます。
Super EXを挿入し取り付けナットを全数手で取り付け、内側のナットから順番に外側へ締め付けます。
一度に本締めしないで、最初は軽く締め、全数のナットが軽く締まりましたら、順に本締めして行きます。
O₂センサーのブラケットを元通りに取り付け、カプラーを接続、配線も元通りにクリップで固定します。
再び、車両の下側へ入ります。
Super EXが取り付け出来ました
O₂センサーのブラケットを取り付けカプラーを接続します
Super EXのフロントチューブ取り付け部
A/Tと純正フロントチューブを固定していました箇所のブラケットを、8m/mの取り付けボルト2本を緩めて少し動く様にします。
A/Tと純正フロントチューブを固定していました箇所の8m/mのボルトでA/TとSuper EXを固定します。
A/TとSuper EXを固定するボルトを挿入しましたら、まず先程緩めましたA/Tとブラケットの8m/mの取り付けボルト2本を確実に締め付けます。
その後、A/TとSuper EXを固定する8m/mのボルト1本を確実に締め付けます。
これでSuper EX本体の取り付けは完了です。
Super EXのフロントチューブ取り付け部に、キットに付属している新品のガスケットを装着します。
他のキットに付属しているフロントチューブ取り付け様部品も準備し、フロントチューブを取り付けて行きます。
Super EX側をキットに付属のスプリングを装着し仮締めします。
触媒側にキットに付属のガスケットを挿入して、純正で元々装着されているブラケットとフロントチューブの間に、同じくキットに付属のスリーブを挟み、ボルトを挿入し仮締めします。
本締めはSuper EX側から行いますが、スプリングを挟んでいますので、取り付け説明書に明記されている寸法を守って締め付けます。
取り付け説明書に明記されている寸法を守らないで締め付けると、締め過ぎた場合にはSuper EXとフロントチューブ接続部、接続部品の損傷、緩い場合には排気漏れ等の原因となる可能性が有ります。
Super EX側が確実に締め付けられましたら、触媒側を本締めします。
触媒側は、ナットの役割もフランジ部で果たしておりますが、ボルトを挿入する時に硬い様な場合には、予めタップで修正してからボルトを挿入する事を推奨いたします。
最後に、確実に取り付けられているかを再度確認し、Super EXの取り付け作業は全て完了いたしました。
取り付けが完了しました(エンジンルームから)
取り付けが完了しました(車両下側から)
フロントチューブを取り付けます
フロントチューブの取り付けが完了しました
製品には、取り付け説明書が付属しておりますので一読し、理解してから作業を実施する事を推奨いたします。
今回の作業では、ルーセン(浸透潤滑剤)等を使用する機会が多々有ります。
当該部品の温度が高いまま使用すると、発火等を起こし火傷や車両の損傷を招く場合が有りますので、エンジン停止後暫く時間をおき、当該部品が冷えた状態での作業を推奨いたします。
新たに装着するSuper EX、フロントチューブは新品の手袋(軍手等)をはめ、触る事を推奨いたします。
汚れ、油脂類等が付着すると焼け具合に斑が発生し綺麗な焼け色を付けられなくなる事も有ります。
今回は、ユーザーの志向により耐熱布をSuper EXに巻き付ける事は行いませんが、サーキット走行等のスポーツ走行が多い場合には、耐熱布等で断熱処置を行う事を推奨いたします。
取り外した部品は、車両を手放す迄はユーザー自身で保管される事をお奨めいたします。
取り付け説明書より・・・
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